【阪神牝馬S】サフィラ 3きょうだい重賞制覇!いざヴィクトリアMへ
2025年4月13日(日)4時30分 スポーツニッポン
「第68回阪神牝馬S」が12日、阪神競馬場で行われ、松山弘平(35)騎乗の9番人気サフィラが格上挑戦で重賞初制覇。サラキア(20年府中牝馬S)、サリオス(19年朝日杯FSなど)に続く、3きょうだいでの重賞タイトルとなった。次走は優先出走権を獲得したヴィクトリアマイル(5月18日、東京)を目指す。
満開のソメイヨシノがコース沿いを鮮やかなピンク色に染めた阪神競馬場。一団で4角を通過した馬群の2番手サフィラの背上で松山が懸命に相棒を鼓舞する。ゴール板では背後から迫ったアルジーヌ、馬群を割ったラヴァンダと鼻差、鼻差の大激戦。勝ち名乗りを受けた鞍上は「めちゃくちゃうれしい。馬がよく応えてくれた」と白い歯を輝かせた。
会心の笑顔の裏にはピタリとハマった戦略があった。今回が8度目のタッグだった松山は「昔はためていい脚を使っていたが、(今は)長くいい脚を使った方がいいかな、と。今回は変えてみようと思っていた」と先行策をチョイス。ゆったりとした流れを2番手で折り合い、理想的な展開から敢然と早めに先頭へ躍り出た。もくろみ通り末脚は衰えることなく、上がり3Fは33秒3。これでは後続が差し切るのは難しい。ファインプレーの鞍上は「兄姉も走っているし、この馬も本当に能力がある。タイトルを獲れて良かった」とパートナーを称えることも忘れなかった。
3勝クラスの身ながら格上挑戦を決断した池添師も「めちゃくちゃうれしい」と異口同音に破顔一笑。5歳時に府中牝馬Sを勝ち、エリザベス女王杯→有馬記念と連続2着に好走した半姉サラキアも手がけた師は「体がしっかりしたのに伴って成績も安定してきた。まだまだ良くなりそうだし、良くなってほしい。いったんリフレッシュして、問題なければG1へ」とヴィクトリアマイル参戦の意向を明かした。
落馬事故により昨年4月10日に亡くなった藤岡康太さんが好きだったピンクのリボンを有志の騎手らが着用した特別な一日。生前、故人と親交が深かった松山はリボンを一瞥(いちべつ)してから「康太さんにありがとうと言いたい」と空を見上げた。
◆サフィラ 父ハーツクライ 母サロミナ(母の父ロミタス)21年2月1日生まれ 牝4歳 栗東・池添厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績11戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億414万4000円 馬名の由来はサファイア(ポルトガル語)で宝石言葉は「成功」。