岡田監督にあって原監督に「ないもの」伝統の一戦で「見えたもの」とは

2023年4月14日(金)13時18分 ココカラネクスト

岡田監督は打つ手がズバズバと的中することでも話題となっている。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神は13日の巨人戦(東京ドーム)に4−1と勝利し、ヤクルトと並んで首位タイに浮上した。「神采配」とも呼ばれる岡田彰布監督の読みがこの日もずばり的中した形だ。

 不振の佐藤輝明に代わって、今季初めて渡辺諒を「3番・三塁」で先発スタメンとして起用。その渡辺が躍動する。1−1で迎えた4回先頭の打席では相手先発横川凱のカットボールを捉え、勝ち越しの1号ソロをマーク。今季初安打が決勝ソロと強運ぶりを見せた渡辺は守備でもチームを支える。6回一死一、二塁の場面では大城卓三の三塁線の強烈な当たりをダイビングキャッチ。ドームの阪神ファンを喜ばせた。

【動画】今季初スタメンとなった渡辺は好守でもチームを盛り立てた。ピンチ救う大ファインプレイの映像

 昨年トレードで日本ハムから移籍。当初から指揮官は打撃を買っており、起用のタイミングを図っていた。この日が左腕ということもあり、渡辺を先発スタメンで起用。いきなりのクリーンアップ、しかも不振の佐藤輝の「代役」と難しいポジションにも順応。守備でも好守を連発と岡田采配がぴたりとハマった形だ。

 この日は投手起用に関しても指揮官の計らいが光った。8回から3番手で登板したのは、前日に先発村上の完全試合をストップさせてしまった石井大智だった。7回まで完全試合ペースできていた村上から8回にスイッチされた石井は、代わった直後、相手主砲の岡本和真にホームランを打たれていた。

 この日も先頭に岡本和を迎えるまったく同じシチュエーションの中、今度は注意深く投げ、初球148キロの直球で中飛に仕留めた。実はこの場面、阪神投手コーチが進言したのは加治屋蓮だったという。そこを退けて、岡田監督は石井を選択。石井は今後も緊迫した場面での起用が見込まれている。苦手意識を持つのではなく早い内のやり返しを求め、その期待に選手もしっかり応えた。

一方、敗れた巨人はちぐはぐさが目立った。先発野手全員安打の12安打を放ちながら、わずか1得点。3併殺などいい当たりが正面をつく不運もあったが、ネット上からはドラフト4位ルーキー、門脇誠の起用をめぐっても不満の声が漏れた。

 「8番・遊撃」で本拠地初スタメンとなった門脇は2回無死一、三塁の好機に相手先発・西純矢のフォークに必死に食らいつき、右前適時打をマーク。これがプロ初タイムリー、初打点と記念すべき日となった。続く5回の第2打席では空振り三振に倒れ、7回の第3打席で左腕・岩貞祐太が出てきたこともあり、代打に坂本勇人を送られてしまう。結果として坂本はここで中前打を放つも、この交代シーンには「若手にチャンスを与えるなら、せめて1試合は守らせてほしい」「世代交代を進めたいのか、進めたくないのかわからない」など、長期的な展望がないといった否定的な意見も散見された。

 結果としてこの試合では、信頼した選手を使い切った岡田阪神に軍配が上がった。

 なかなか波に乗れない巨人は14日からゲーム差なしとなっている最下位中日と3連戦を戦う。開幕直後ながら重苦しいムードが漂っており、潮目を変える起爆剤が欲しいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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