スーパーGTで44台を運ぶトランスポーターの妙味と赤穂のウイスキー【大串信のサーキット徒然旅日記】
2019年4月18日(木)11時12分 AUTOSPORT web
今年もモータースポーツシーズンが本格的に開幕した。ぼくはスーパーGTとスーパーフォーミュラを中心に取材活動をしているので、これから閉幕まで旅暮らしになる。スポーツランドSUGO、ツインリンクもてぎ、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、岡山国際サーキット、オートポリス、それにタイのチャン国際サーキットと全部で7カ所、15週末が基本で、それに単発の取材旅行も挟まる。
こんな生活をもう30年近く続けてきた。90年代まではさらに空いた週末はF1グランプリやル・マン24時間やマカオグランプリにも出かけていたのだが、さすがにこの年齢になると国内だけでイッパイイッパイだ。
とか言いながら、今年はもうマレーシアやらフランスやらに出かけているから、実はあちこち出かける暮らしが結構気に入っているのかもしれない。
というわけで、今年はスーパーGT、スーパーフォーミュラを中心にあちこち取材先で見たこと感じたことをチョコチョコと書き連ねていこうと思う。レースそのものの緊迫したレポートの合間のサイドディッシュ代わりに流し読みしていただけるとうれしい。
さて、本格開幕を迎えた岡山国際サーキットでのスーパーGT第1戦だが、ご存じの通り悪天候で大荒れになって終わった。強い雨の中戦った選手やチームのみなさん、また悪コンデイションの中現地へ来場してくださったファンのみなさん、ご苦労さまでした。
今回ぼくはまだ天気の良かった金曜日に現地入りしてチームの搬入作業を眺めていた。以前もどこかでレポートしたことがあるけれど、岡山国際サーキットはスーパーGTやスーパーフォーミュラが行われるサーキットの中でもっともコンパクトな施設なので、巨大なトランスポーターを乗り入れレースのための設営をするのは非常に難しい分、搬入作業は見応えがあるのだ。
レースウィークのパドックにはトランスポーターがぎっしり駐まり、ホスピタリティーテントが立ち並ぶ。今回のスーパーGTにはGT500、GT300合わせて44台もの競技車両が出走した。チームとして数えても約40。それだけの機材があのコンパクトなパドックにギッシリ並ぶのだが、基本的にパドックへの通路はひとつ。考えてみてほしい。どうやって機材を運び込んで並べるのか。
当然、それぞれのチームからサーキットにやって来るトランスポーターが好き勝手に進入したら狭いパドックは大混乱に陥ってしまう。そこで、実はトランスポーターは金曜日の朝、まず一旦サーキットの外、メインゲート脇にある広場に集結する。そこでGTAの担当者がピットの割り当て位置を考慮して立てた計画に沿って、順番にトランスポーターを誘導しパドックに導き入れて順番に並べていく。
その様子は、あたかもブロックを積んでいくゲームを見ているようだ。もし機会があったら金曜日の搬入の様子を眺めに来ていただきたい。岡山国際サーキットならではの「プロのワザ」を味わえるはずだ。
で、この週末だがぼくは赤穂に宿泊した。岡山国際サーキットの近辺には宿泊施設が少ないのでレース関係者は津山、相生、赤穂、湯郷温泉などに分散して泊まる。
ぼくのお気に入りが隣の県ではあるがサーキットからクルマで1時間ほどの赤穂である。赤穂にはお気に入りのバーが2軒あって、ここでイッパイ呑むのが楽しみなのだ。今回の金曜日は2軒をハシゴして「クセのあるウイスキー」を堪能してきた。今後は取材先で立ち寄った飲食店なども紹介していければと思う。