IBFと交渉難航 ベルト返上も覚悟した西田「踏み台になるつもりはない」得意のディフェンスで活路
2025年4月19日(土)4時30分 スポーツニッポン
◇WBC&IBF世界バンタム級王座統一戦 WBC王者・中谷潤人《12回戦》IBF王者・西田凌佑(2025年6月8日 有明コロシアム)
中谷との対戦を強く希望したというIBF王者の西田は「世界王者になったけど、同じ階級に4人いる。自分より強いと言われている選手がいるので、対戦しないということはないと思った」と理由を説明した。
六島ジムの枝川孝会長は当初、IBFから義務づけられた3位のレイジェス(メキシコ)との指名試合を組む予定だった。「(中谷は)ムチャムチャ強い王者ですから」と乗り気ではなかったが、最後は「意思表示するタイプではない」という西田の希望を受け入れた。
IBFとの交渉は難航し、会見前日深夜まで及んだ。西田は「ベルト返上も覚悟した。それでも中谷選手に挑戦したいと思った」と言う。熱意は通じ、統一戦が実現した。
不利が予想されるだけに「最後のつもりでやる」と話すが、来年には井上尚弥戦が見込まれる中谷の「踏み台になるつもりはない」。既に100ラウンドのスパーリングをこなしたディフェンスマスターは「作戦はディフェンス。(詳しくは)あまり言えない」と静かに話した。 (鈴木 誠治)