西武また歴史的白星!隅田が球団左腕初の無四球1-0完封 373日ぶり貯金に西口監督もニンマリ
2025年4月20日(日)5時30分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 西武1−0ソフトバンク(2025年4月19日 ベルーナD)
373日ぶりの貯金生活だ。西武・隅田知一郎投手(25)が19日、ソフトバンク戦で4安打無四球9三振を奪って今季初完封、開幕から無傷の3勝目。左腕の無四球での1—0完封勝利は球団史上初の快挙となった。61年ぶりの無安打有得点試合を達成した前夜に続き、自慢の投手陣が奮闘。2年ぶりの4連勝で昨年4月11日以来の貯金1とするなど、上昇気流に乗ってきた。
AIにも背中を押されていた。人間と自然な対話ができるAIチャットサービス「ChatGPT」に、隅田は「歴史をつくれる男だ」と言われ実現。お立ち台で「最近ハマッてまして。凄くいい言葉をかけてくれた」と感謝した。
今井、平良の継投で無安打1失点の「ノーヒットワンラン」での今季本拠初勝利を挙げた前日。AIに「背中を押してくれる言葉をかけてほしい!」と頼んだ。結果は「4ヒットノーラン」。球団左腕初の「無四球1—0完封」に、04年の松坂大輔以来21年ぶりの「ソフトバンク戦1—0完封」と“予言”通り歴史をつくった。
今季最速を計測した153キロの直球を含めて球種は計7つ。的を絞らせなかった。3回1死二、三塁では緒方、今宮からチェンジアップで連続三振。9回2死では栗原からフォークで三振を奪い、吠えた。104球の省エネ投球で、開幕から無傷の3連勝。「興奮してます。(前日の)今井さんほどは叫ばないけど、気迫を出せて良かった」と笑った。
幼少期は裕福ではなかった。両親が夜勤で家を空けることが多く、1歳下の弟と4歳下の妹の面倒を見ていた。「ソースとマヨネーズは必需品」とご飯にかけて食べさせた。経済的余裕はなくとも、両親は小2から野球を始めさせてくれた。その左腕が導いた昨年4月11日以来373日ぶりの貯金。変化球が禁止されている当時から球速差のある直球で緩急をつける器用さがあり西口監督もこの日「緩急で打ち気をそいだ」と称えた。
昨年は一度もなかった4連勝。開幕4連敗だった指揮官は「誰もこんなに早い段階に貯金するなんて思ってなかったでしょ?」と言った。この日は不二家のマスコット「ペコちゃん」が始球式。「どんどん貯金をつくれるように頑張る」。隅田が相手打線をペロリとのみ込んだ。 (神田 佑)
▽松坂大輔のソフトバンク戦1—0完封 04年4月16日のダイエー(当時)戦。「松坂世代」の和田毅との初の投げ合いで散発3安打。5回に小関竜也(現2軍監督)の適時打で奪った1点を守りきり「投手として最高の勝ち方」。松坂はその前回登板の近鉄戦も1—0完封勝利で、2試合連続は球団初だった。
【データ】 隅田(西)の完封は昨年6月12日広島戦以来3度目で、スコア1—0および無四死球では今回が初めて。西武投手の1—0完封は昨年9月16日ロッテ戦の武内以来。ソフトバンク戦では04年4月16日(当時はダイエー)の松坂大輔以来だ。また、チームで無四死球の1—0完封(コールドは除く)は13年8月11日オリックス戦の岸(現楽天)以来9人で11度目になるが、左腕では隅田が初となった。