広島・中村奨 今季初先発に燃えた聖地で初マルチ 敗戦も光明に新井監督「良いアピールしてくれている」

2025年4月21日(月)5時0分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 広島1-8阪神(2025年4月20日 甲子園)

 広島・中村奨成外野手(25)が20日、250日ぶりのマルチ安打でチーム内外に存在感をアピールした。敵地での阪神戦に「6番・中堅」で今季初先発。中前へ2本運び、7回には唯一の得点に絡んだ。1—8の敗戦の中での光明。森翔平投手(27)は4回3失点で今季初黒星を喫した。チームは5カード連続で負け越しがなく、あす22日からは本拠地でヤクルト2連戦。地の利を得て再び進撃だ。 

 成長の跡が確かに見えた。「6番・中堅」で今季初先発した中村奨。結果を欲しがって力んだ過去と決別し、シャープかつ積極的な打撃で快音を複数回発した。チームの底上げにつながる敗戦の中での光明だった。

 「準備はできていました。みんな調子がいいので出番がなかなかない中で、代打だったり、親子(ゲーム)に出させてもらったりして準備していたので」

 4回2死一塁で、カウント1—1から阪神・伊原の内角高めカットボールを中前へ。圧巻だったのは7回だ。無死一塁で、ゲラの初球、154キロ外角直球をライナーで再び中前へはじき返し、唯一の得点をお膳立てした。

 「オープン戦を含めて、クリーンなヒットはなかなか打てなかった。その中で速い真っすぐを1球で仕留められたのは、2軍で取り組んできたことができたかな…と思います」

 転機は、再調整となった3月18日からの2軍生活にあった。福地ヘッド兼打撃・走塁コーチに「2軍で打つのは分かっているから、1軍の速い投手に良いアプローチをしていこうよ」と助言され、オープンスタンスでの打撃に着手した。

 「それで(状態が)上がってきた感じ。とにかく球を見やすくして、(バットを)思ったところに出せるように、詰まらないように試行錯誤しながら」

 24年8月13日のDeNA戦以来、実に250日ぶりで、甲子園では初のマルチ安打。見守った新井監督は「奨成は、きょうヒット2本かな。良いアピールをしてくれていると思う」と目を細めた。

 広陵高(広島)時代に1大会6本塁打を放ち、清原和博の記録を塗り替えた17年夏の甲子園から、既に8年。遅咲きでも、才能が開花すればチーム力は高まる。出番が限られる中で求められるアピール。中村奨は、自らの立場を百も承知だ。

 「自分の中では1打席目が一番大事。(中飛で)1球で終わったけど、自分の入りや感覚は悪くなかった。その内容を上げていこうという心構えで、今日は入った。思い出の球場で良かったです」

 早熟だったスラッガーも既に25歳。今春こそ1軍で地歩を築く。(江尾 卓也)

スポーツニッポン

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