なでしこコーチの元豪州代表リア・ブレイニー氏「女性のコーチとしてロールモデルになれるように」
2025年4月22日(火)12時37分 スポーツ報知
なでしこジャパンのリア・ブレイニー・コーチ
1月にサッカー女子日本代表、なでしこジャパンのコーチに就任し、ニルス・ニールセン監督を支える元オーストラリア女子代表MFのリア・ブレイニー氏(38)が合同取材で自身のキャリア、指導に対する考えを語った。
—選手時代について。
「6歳からサッカーを始め、10〜14歳は空手もやっていた。規律を学ぶ上で非常に役に立った。学業にも力を入れ、米国の大学に進み、体育学を専攻した。A代表には最年少16歳で、(04年)アテネ五輪のバックアップメンバーに選ばれ、その後アンダーカテゴリーでもプレーした。22歳で足首のけがで選手を引退した」
—なでしこはどういう存在だったか。
「日本代表とは何度か試合をした(2005年に3試合)。オーストラリアにとって目標となるチームだった。常にライバルでもある。日本は質の高い選手が多く、そういった所で自分が学べることもあり、今度は自分が日本代表に与えられることもある。(両国が)よりアジアの発展に寄与できれば」
—昨年末にコーチ就任のオファーを受けた。
「野望を持ったチームと一緒に戦えることで良い機会になるだろうと、とても興奮した。非常に良いクリスマスを過ごした。ニールセンさんから電話をいただき、プレースタイルも価値観も自分によく似ていると思った。ほぼ悩まず決めた。今までアジアの女子サッカー界で長く働き、オーストラリアにいた時は対戦国のスカウティングもした。それを生かすにも、非常に有効だなと。(一人一人が)最高の選手になろうと目指しているチームで働けるのは非常に素晴らしいこと」
—自身の指導経験で生かせること。
「女性のコーチがまだ少ないというのもあり、女性のコーチたちのロールモデルになれるように、という思いもある。選手としては米国、スウェーデンでプレーしてきた自分の経験、様々な知識を還元したい。コーチとしても、選手のメンター、ガイドになれるよう(経験を)共有したい。今多くの選手が海外でプレーしている。自分やコーチが気にかけていますよと、できるだけゲームに視察に行って、(選手やクラブと)密にコミュニケーションを取っていきたい」
—自身の哲学は。
「仕事に対する向き合い方は常に気にかけている。トップレベルになるためには、自分を律する、高い倫理観を持ってやる、責任を持って物事にあたることを意識している。今いる選手も非常にタレント性にあふれているが、現状に満足せず、五輪やW杯で上を目指すために、常に貪欲にやっていく必要があると思う」
—空手以外で日本の文化で興味があるもの。
「京都はとても良かった。庭園とか、自分は美しいものが好き。オーストラリアのブルーマウンテンという田舎街に住んでいたので、自然豊かなところが好み。思い出に残っているのは、(京都の)桜が咲く川沿いを家族で歩いたこと」