フェルスタッペンの去就の噂が再燃。加入を否定も肯定もしなかったアストンマーティン【代表のコメント裏事情】

　2025年F1第5戦サウジアラビアGPでは、マックス・フェルスタッペン（レッドブル）の去就に関するさまざまな噂が飛び交った。前戦バーレーンGPで勝者のオスカー・ピアストリ（マクラーレン）から34秒以上遅れて6位でフィニッシュしたフェルスタッペンのマネージャーを務めるレイモンド・フェルミューレンが、レッドブルのヘルムート・マルコ（モータースポーツアドバイザー）に詰め寄るシーンが目撃されていたからだった。マルコもフェルスタッペンとチームとの将来について「大きな懸念を抱いている」と明かしている。

　フェルスタッペンがレッドブルを離脱するという噂は、これが初めてではない。レッドブルと2028年末までの契約を締結しているフェルスタッペンだが、その契約にはパフォーマンス条項（コンストラクターズ選手権の順位）が設けられており、決められた期間でこの設定を下回る成績だった場合、契約解除条項が適用されると噂されているからだ。

　今年の1月には12億ドル（約1800億円）とも言われる移籍金をアストンマーティンが用意していると報道され、その後アストンマーティンが正式に否定。しかし、4月には総額3億ドル（約427億円）で3年契約のオファーをアストンマーティンが提示していると報じられた。

　サウジアラビアGPの金曜日に開かれた国際自動車連盟（FIA）の会見に出席したアストンマーティンのチーム代表兼CEOのアンディ・コーウェルは、質疑応答で次のように語った。

Q：今後のドライバーラインナップについて多くの憶測があります。フェルナンド・アロンソ（アストンマーティン）は昨日のFIA会見で、マックス・フェルスタッペンがアストンマーティンへ移籍するのではないかという噂されていることについて、「チームへの賛辞だ」と語りましたが、あなたはアロンソの意見に同意しますか？

コーウェル：「我々は、今後2年ふたりの経験豊富なドライバーと契約できたことを非常に嬉しく思っている。これにより、我々は速いレースカーを作る仕事に集中できる」

Q：つまり、2026年にフェルスタッペンのシートはないということですか？

コーウェル：「私の頭のなかでは、ランス（・ストロール）とフェルナンドのために速いレースカーを作れるようチームを改善することに集中している」

　一見すると、コーウェルはフェルスタッペン移籍の可能性を否定したように思える。しかし、じつはコーウェルは噂に関して肯定もしなければ、じつは否定もしていないことに気づくだろう。

　フェルスタッペンがアストンマーティンへ移籍するかどうかは別として、アストンマーティンがフェルスタッペンへラブコールを送っていたとしても、不思議ではない。