柏レイソル冬の補強は成功か?新戦力の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】
2025年4月25日(金)14時0分 FOOTBALL TRIBE

昨2024シーズンは17位でフィニッシュと苦しい残留争いに巻き込まれ薄氷を踏むJ1残留となった柏レイソル。さらに冬には直近6シーズンチームを牽引してきたMFマテウス・サヴィオが浦和レッズへ、パリ五輪代表にも選出されたDF関根大輝がフランスのスタッド・ランスへそれぞれ移籍し少なからず戦力の流出が起きた。
しかし、新指揮官となったリカルド・ロドリゲス監督のもとでチームは復権の気配を見せている。その大きな要因となっているのが、この冬新たに柏へ加わった選手たちの躍動ぶりだ。一部主力の流出があった一方、複数のポジションで即戦力を補強したことが奏功し、第11節を終えた時点で黒星わずか1つの2位と好スタートを切っている。ここでは、そんな好調要因となっている柏の新戦力のうち、リーグ戦で出場機会のあった選手について5段階で評価していく。

MF久保藤次郎
評価:★★★★★
昨年は夏に名古屋グランパスから戦力の大量流出があったサガン鳥栖へと期限付きで加わり、残留争いに苦しむクラブで奮戦していたMF久保藤次郎。今冬の移籍では、名古屋復帰ではなく柏へと活躍の場を移しここまで11試合すべてに出場して存在感を見せている。
右サイドの突破やクロスからのチャンスメイクはもちろん、狙いすましたミドルシュートでのゴールなど技術の高さでも攻撃を牽引している。数字の上でもすでに2ゴール1アシストと、2023シーズン途中にJ1へ個人昇格して以降の自己最多をすでにクリアしており、十分好評価に値することから評価を「5」とした。今後はゴールに直接関わる数字をどこまで伸ばせるか注目だ。

MF小泉佳穂
評価:★★★★★
今冬の補強により加入した選手のなかでも、最も輝きを放っているのはMF小泉佳穂だろう。新指揮官のロドリゲス監督とは浦和レッズ時代に共に戦っていたことも奏功してか、新加入にも関わらず早くもチームの中軸として溶け込み毎試合のように高いパフォーマンスを披露している。
特筆すべきは決定機につながるパスの質。クロスやサイドチェンジといった距離が長い場面でも正確なボールを供給してチャンスにつなげる技術の高さが光る。もちろん、チャンスと見るや自らもゴール前まで侵入し得点を奪っており、今季は早くも2ゴール2アシストで直近の2シーズンよりもゴールに絡めている。移籍早々チームの中心に定着し結果も残していることから評価を「5」とした。

GK小島亨介
評価:★★★★★
今季柏の躍進ぶりは新守護神の活躍による部分も大きい。アルビレックス新潟から完全移籍で加わったGK小島亨介は、ここまで全試合にスタメンフル出場中。足元の技術の高さで後方からの組み立てに加わり、前方へ効果的なボールを供給できるのも魅力のGKだ。
もちろん、守備の部分でも至近距離のシュートに片手で反応して防ぐなどその実力に疑いの余地はない。このままのパフォーマンスでチームも上位争いを続けていれば、再び日本代表への招集も十分期待できると言っても過言ではないだろう。守護神として定位置を掴み、攻守にわたって大きくチームに貢献していることから評価を「5」とした。

DF原田亘
評価:★★★★★
昨季はサガン鳥栖で最終的にチームは降格してしまったが、夏に多くの主力選手を失った鳥栖を最後まで支え続けた原田亘。そんな原田は今冬の移籍で柏を選び、ここまで全試合に出場。内訳を見ても途中出場は第9節の一度のみ。先発したゲームのほとんどがフルタイム出場となっており、好調なチームを後方から支える存在となっている。
柏では主にセンターバックとして出番を得て活躍しているが、右サイドでのプレーも可能。昨年は3ゴール2アシストと多くのゴールにも関わった。守備だけでなく攻撃も魅力なだけに、今後の起用法も含め楽しみの多い選手だ。シーズン序盤からポジションを掴んでチームに安定感をもたらしていることから評価を「5」とした。

MF原川力
評価:★★★☆☆
セレッソ大阪やFC東京などJリーグ6クラブを渡り歩いてきたMF原川力が7クラブ目に選んだのは柏だった。31歳とベテランになったが、今季はここまで9試合に先発出場。技術と経験値の高さを活かし早くも中盤のキーマンとして定位置を確保した。
キックの質の高さは衰える気配がなく、新天地でもセットプレーのキッカーを任されている。流れの中ではボール奪取や局面を変えるパスなどでチームの好調を支えている。昨季FC東京では25試合に出場するも、そのうち先発はわずか5試合に留まった原川。それでも移籍先ではスタメンを勝ち取り続けてまだまだJ1でやれる実力を示していることから評価を「3」とした。

DF杉岡大暉
評価:★★☆☆☆
昨季は夏に期限付き移籍した町田ゼルビアで12試合に出場しアシストを1つマークしていたDF杉岡大暉。今冬の移籍では湘南への復帰ではなく、柏を新天地として選んだ。
そして迎えた今季開幕からスタメンに名を連ね、第3節まではフルタイム出場を続けていたが第4節の浦和レッズ戦で途中交代するとその後クラブより怪我の発表がなされた。開幕から好調なチームを支える活躍をしていただけに戦線を離れたことは痛手。ファンやサポーターも可能な限り早期の復帰を願っていることだろう。怪我による離脱とはいえ、現時点では出場試合数が少ないことから評価を「2」に留めた。

MF仲間隼人
評価:★★☆☆☆
直近3シーズン鹿島アントラーズの上位争いにも大きく貢献してきたMF仲間隼人が、今冬4シーズンぶりに柏へ帰還した。チームを離れている間も常に得点を挙げ続けており、昨年は得点数でリーグワースト2位であった柏の得点力アップにつながる補強として期待された。
残念ながらここまでは6試合に出場するも先発したのは2試合のみ。期待された得点に関わる働きでも、YBCルヴァンカップ(ルヴァン杯)一回戦のコントロールショットでの得点はあるものの、リーグ戦でのゴールは0。他の新戦力が際立つ活躍を見せている分、やや物足りないシーズン序盤戦となっていることから評価を「2」とした。

MF渡井理己
評価:★★☆☆☆
J2徳島ヴォルティスから個人昇格する形で今冬柏へ加わったMF渡井理己。今季より柏を率いるロドリゲス監督とは徳島時代に共に戦っており、サッカーへの理解度も含めて期待の新戦力として注目された。実際に開幕戦から出番を得てここまで途中出場も多いながら10試合とほとんどのゲームに出場。新指揮官から重宝されているのは十分に伝わる。しかしながら、ポジションを争う同じ新戦力のMF小泉佳穂と比較するとやや見劣りすることから評価を「2」に留めた。

MF中島舜
評価:★☆☆☆☆
今季柏へ加わった大卒ルーキーの1人であるMF中島舜。ここまではリーグ戦、ルヴァン杯ともに2試合で出場機会を得ている。カップ戦では二回戦の福島ユナイテッド戦にフル出場。開始早々の先制点の場面では右サイドの持ち上がりから丁寧な逆サイドへのラストパスでアシストをマークした。とはいえ、現時点ではリーグ戦での出場時間が極めて短いことを考慮して評価を「1」とした。