選抜出場の常葉大菊川に初の九州男児 1年生・小柳が静岡県大会で早速大暴れ
2025年4月25日(金)16時43分 スポーツニッポン
今夏シード16校が出そろった春季高校野球静岡県大会で、早くも入学したての1年生ルーキーが輝きを放った。選抜出場校の常葉大菊川では、硬式野球のポニーリーグ・佐賀ビクトリーでU—14日本代表主将だった小柳祥太郎が、沼津商との初戦(19日、掛川)で8番・遊撃手としてフル出場。3安打1打点1盗塁と存在感を見せつけ、今後へさらなる期待を抱かせた。
名刺代わりの活躍とは、まさに小柳の大会デビューを言う。8日に入学式を迎えたばかりの背番号16。わずか11日後の、選抜帰りの今季県内公式戦初陣となった沼津商戦で、チームでただ一人3安打猛打賞と気を吐いた。しかも、6回の3本目となった中前打がサヨナラコールドの決着打。児玉一琉右翼手(3年)の右越え逆転満塁弾がなければ間違いなく主役だった。
「スタメンはビックリしました。全力プレーで最高のスタートが切れましたが、出来過ぎです。最初が良くても落ちていく可能性はあるので、調子に乗らずいつも通り、謙虚に取り組んでいきます」
ポニーリーグU—14日本代表の主将として、3年夏のアジア大会で準優勝に貢献した。元々守備には定評があり、大会では右越え弾も記録している。当時の仲間は大阪桐蔭や智弁和歌山、東海大相模(神奈川)といった全国屈指の強豪に散らばり「甲子園で戦いたいです」と目を輝かせる。
佐賀市内の自宅から直線距離で約740キロ離れた菊川市へ、チーム初の九州男児となる果敢な挑戦だ。中学2年時、所属していた佐賀ビクトリーの古沢豊監督から「菊川はどうだ」と薦められて脳にインプット。動画で施設や甲子園の戦いぶりをチェックし、“甲子園最強二塁手”として当時、全国的に注目を集め、同校でレジェンドとなったOB町田友潤さん(34)にたどり着いた。昨夏に練習を見学し、「とにかく元気があって動画では伝わらないほど圧倒されました」と腹を決めた。
起用した石岡諒哉監督(35)は「練習で良いものがあり、内野が手薄だったので良い刺激になったと思います」とニヤリ。チームは26日の3回戦で東海大静岡翔洋と対戦。厳しい環境で育ち、現状維持では満足しない黄金ルーキーが、チーム内競争を熱くしている。
◇小柳 祥太郎(こやなぎ・しょうたろう)2009年(平21)8月4日生まれ、佐賀市出身の15歳。鳥栖市の弥生が丘小1年から弥生が丘少年野球で野球を始める。3年で佐賀市に転居。循誘イーグルスに移籍し6年時は1番・遊撃手で活躍。城東中では佐賀ビクトリーでプレーし、副将だった3年時は春夏全国出場を果たしいずれも2回戦敗退。50メートル走6秒5。家族は両親と姉。1メートル69、68キロ。右投げ左打ち。血液型AB。