「1勝」導いた鹿島のレジェンド、600勝見届けに当日来日…空港から会場直行、1ー0勝利に大きくうなずく

2025年4月26日(土)5時0分 スポーツ報知

後半、ヘディングで先制点を決めた鹿島・知念は勢いそのままに名古屋・森島に顔面から激突(カメラ・山崎 賢人)

◆明治安田J1リーグ▽第12節 鹿島1—0名古屋(25日・カシマ)

 鹿島は名古屋に1—0で勝利し、J1初の通算600勝に到達した。FW知念慶(30)がダイビングヘッドで執念の勝ち越し点を奪った。リーグ得点王タイ(8ゴール)のFWレオセアラ(30)ら主力5人をけがで欠く中、Jリーグを牽引(けんいん)してきた強豪が粘り強く勝ち点3を奪い、勝利数を大台に乗せて暫定2位へと浮上した。京都が2—1で横浜FCに勝ち、暫定首位を守った。

 魂だとか、執念だとか、そんな言葉がピッタリのゴールだった。0—0の後半9分、ゴール前の混戦。密集地帯で鹿島MF知念がなりふり構わず頭からボールに突っ込み、低空ダイビングヘッドで相手に競り勝ちネットを揺らした。勢い余って相手MFのお尻と顔面が激突し、痛みでしばらく立ち上がれなかったヒーローは「押し込むだけでした」と光る汗をぬぐった。

 0—0の後半開始から生え抜きの船橋と松村を投入してギアを上げ、知念の1点を守り抜いた。ブラジルからこの日来日し、空港から直接会場に駆けつけたジーコ氏(72)も、600度目の歓喜に大きくうなずいた。

 J最多20冠を誇る「常勝の空気感」を継承しつつ、勝利を積み上げてきた。自身の得点で通算100勝目(97年)、200勝目(01年)をもたらした柳沢敦コーチ(47)、元守護神・曽ケ端準GKコーチ(45)、中田浩二・強化責任者(45)ら、黄金時代を築いた面々が指導者として支える。下部組織も小笠原満男氏(46、ダイレクター)、本山雅志氏(45、スカウト)らが目をかける。勝ち方を知るスタッフをそろえ、伝統を受け継いできた。

 だが、リーグ優勝は16年が最後で、17年以降は2〜5位。安定はしているが、頂点は遠かった。そこで“OB路線”の切り札としてクラブが招いたのが、鹿島で大成はできなかったものの、川崎で4度のリーグVを成し遂げた鬼木達監督(51)だった。J元年(93年)第1節で、鹿島は名古屋をジーコ氏のハットトリックなどで5—0で下して初勝利。19歳だった鬼木氏はスタンドから勝利を見届けていた。「あの頃(鹿島在籍期間)があったから今の自分がある」と言い切る指揮官は「感慨深いですね」と600個目の白星を誇った。

 リーグ3連敗から2連勝で巻き返し、2位浮上。知念は「歴代の選手たちに恥じないように、これからもプレーする」。600勝を通過点とし、鹿島は勝ち続ける。(岡島 智哉)

スポーツ報知

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