明大OBの巨人V9戦士・高田繁さんがレジェンド始球式に登場「もっと学生に来て欲しいよな。校歌を歌わなきゃ!」
2025年4月27日(日)11時50分 スポーツ報知
始球式を務めた高田繁氏(カメラ・頓所 美代子)
◆東京六大学野球春季リーグ戦第3週第2日▽明大—慶大(27日・神宮)
東京六大学野球連盟の創設100周年を記念するレジェンド始球式に、明大OBで華麗な外野守備から“塀際の魔術師”と呼ばれ、巨人のV9に貢献した高田繁さん(79)が登場。ノーバン投球で神宮の杜を沸かせた。
高田さんは浪商高(現・大体大浪商)から明大に進み、67年ドラフト1位で巨人入団。68年に新人王。69年から4年連続ベストナイン。80年に引退後は85年から4年間、日本ハム監督を務め、その後も巨人の1軍コーチ、2軍監督、日本ハムGM、ヤクルト監督、DeNA初代GMなどの要職を務めた。
「神宮のマウンドには立ったことがなかった。正直ほっとしたよ。近所の吉田に頼んで、3回練習したんだ」。元巨人捕手でV9の盟友、吉田孝司さん(78)との“特訓”が実っての快投に、胸を張った。
青春時代を過ごした神宮の思い出は、尽きない。「明治が8年間、優勝していない時にどっぷりハマっちゃって。『高田さんと星野さんがいて、何で勝てなかった?』と今でも言われるよ。法政は黄金時代。早稲田も強かった。優勝していないからね、肩身が狭いよ。これは一生ついて回る」。それでも明大・高山俊に抜かれるまで、通算127安打は長らくリーグ記録だった。
“御大”として語り継がれる島岡吉郎監督の薫陶を受けた。そんな高田さんにとって、明治魂とは?
「島岡さんの『なんとかせい!』だよね。技術以前の精神力を大切にされていた。で、なんとかなるんだよ。技術はもちろん大事だけど、最後はやっぱり精神力。ハートだと思うよね。それが明治の野球じゃないかな」と振り返った。
母校のチームカラーも時代とともに変化してきた。「グラウンドの雰囲気や寮生活で、先輩後輩の関係では、下級生がのびのびできるようになったよね。だから高校生の後輩たちに『明治に来いよ!」と言える状況になったと思う。いい選手が入ってくるようになった」。闊達な空気は、15年連続でドラフト指名される要因にもなっている。
100周年を迎えた東京六大学野球。「もっと学生に来て欲しいよな。校歌を歌わなきゃ! 優勝に絡む試合には、来て欲しいよな」と現役世代に呼びかけつつ、「日本の大学野球をリードしてきた存在。先輩たちが築いてくれた歴史を、これからも続けて欲しい」と結んだ。(加藤 弘士)