ナイスガイの阪神・デュプランティエに早く来日初勝利を 3度目登板でもチームメートに感謝
2025年4月27日(日)8時4分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神6—2巨人(2025年4月26日 甲子園)
【畑野理之の談々畑】5回の激しい攻防に見入っていた。2—1で巨人が1点リードの状況。まずは5回表、阪神のジョン・デュプランティエは1死から門脇誠を一ゴロに打ち取ったものの大山悠輔が失策。二盗と安打、死球で2死満塁となり、ここで吉川尚輝は右中間へ大飛球。抜けていれば一気に敗色濃厚となっていたが、右翼の森下翔太が辛うじて追いついた。
直後の5回裏、2死二塁でデュプランティエの代打・渡辺諒が中前に同点打を放った。巨人の攻撃を必死にくぐり抜け、直後にチームみんなが心を一つにして追いついたと見えたのは、大げさではないと思う。
前回先発した19日の広島戦で2回に木浪聖也の2失策などから3失点した。試合も0—3で敗れて、自責点0で来日初黒星を喫した。ちなみに木浪は9回にもこの日3つ目の失策を犯している。ゲームセットとなり、整列してスタンドに一礼した後、デュプランティエは木浪にこう話しかけたという。
「誰にでも物事がうまくいかない日はある。自分にもあるし、誰かが励ましてくれたら大きいと思うので、このタイミングで木浪さんに声をかけさせてもらった」
この1週間、木浪ではなく、むしろ失点を防いでやれなかった自分自身を責めた。野球は一人で戦うスポーツではないこと、逆に野手のみんなに助けてもらうこともあると確認した。だからこそ、この日は大山の失策で出塁した走者を絶対に還したくはなかった。
8回に決勝点を叩きだしたのは、その大山だった。1死一、二塁から三塁線を破る二塁打。試合を決める場面で大山に打席が回り、そこで決めてみせるこの流れは決して偶然ではないと思う。お立ち台で大山は「みんなで、ここに立ちたかった」とヒーローは全員だと言った。
5回2失点のデュプランティエに勝ち星が付かなかったことだけが残念だが、今の阪神は勢いも最高潮で、ムードもいい。この日の2得点が、3度目の登板にして初めて味方打線からもらった援護だったが、「(坂本)誠志郎の配球のおかげで自分のいいところが出せた。ピンチもあったけど森下の守備にも助けてもらった」とそれでもチームメートに感謝する。
こんないいヤツ、いつまでも野手陣が放っておいたらダメだ。