アウディ陣営コムトゥユーの陣容確定。コロネル、ベルトン、マグナスに加え、ベナーニが新加入/WTCR

2022年4月28日(木)12時38分 AUTOSPORT web

 アウディ陣営トップチームとしてWTCR世界ツーリングカー・カップに参戦するコムトゥユー・レーシングが、2022年のチーム体制を確定。引き続きエースを務めるトム・コロネルを中心に、ナサニエル・ベルトン、ジル・マグナスのアウディスポーツ契約ドライバーに加え、新たにメディ・ベナーニの加入を発表し、2020年のTCRヨーロッパ王者が4台目のアウディRS3 LMSをドライブすることが決まった。


 TCRヨーロッパのプログラムに続き、今季も4台体制で参戦することをアナウンスしたコムトゥユー・レーシングだが、この新ラインアップに関してチームマネージャーを務めるフランソワ・ヴェルビストは「コムトゥユー・レーシングの創設以来、代表のジャン-ミシェル(・ベルト)とともに、ドライバーやパートナーの継続性と忠誠心に、焦点を当てることが私たちの目標だった」と、改めて体制強化への思いを語った。


「その結果、アウディスポーツをメインパートナーとして、5年連続でWTCRに参戦できることをうれしく思うよ。トム、ナサニエル、そしてジルとの共同作業を継続できるよう尽力することは、論理的な選択肢だった」と続けたヴェルビスト。


 この3名のドライバーラインナップは2021年から変わらず、チームの継続性を象徴する人選となったが、昨季シリーズランキング4位を獲得したフレデリック・バービシュに代わる新メンバーとして、TCRヨーロッパでともにタイトルを獲得したベナーニが加わることとなった。


「そう、ご存知のとおり2020年にはメディとTCRヨーロッパでタイトルを獲得した経験があるし、この4人目のドライバーにも非常に満足している。シーズン前のテストは順調に進み、テクニカルチームの作業と、4人のパフォーマンスにも感銘を受けた。フランス・ポー市街地での開幕戦が待ち切れないね」


 昨年もTCRヨーロッパに参戦し、こちらも旧知であるセバスチャン・ローブ・レーシング(SLR)のヒョンデ(旧ヒュンダイ)・エラントラN TCRをドライブしたベナーニは、開幕戦での勝利を含め3度の表彰台を獲得しつつも、ランキングは5位と連覇はならなかった。そのモロッコ出身ドライバーにとって、新シーズンは2019年にSLRから参戦して以来のWTCR復帰となる。


「今季のグリッドに並ぶドライバーたちは、僕が去ったときとほとんど同じようなものだし、すべての陣営が非常に強力だ。グリッド上の誰かが他のドライバーよりも遅い……なんてことは言い難い状況だね。誰もが勝利のみを目指して戦うマインドでいるだろうしね」と、慎重な姿勢を見せたベナーニ。


■セバスチャン・ローブ・レーシングが新体制を構築


2021年にデビューを果たした第2世代アウディRS3 LMSだが、Comtoyou RacingがWTCRでの先行開発を担った
第4戦のハンガリーでは、期待の新生ジル・マグナスがレース1での勝利を飾っていた


「しかし、そんな状況でうまく物事を進めるには、一貫性があり、多くのポイントを獲得するためクリーンであることが重要だ。そして何より多くの運が必要となる。最後はそこだけだね」と続けたベナーニ。


「WTCRの優れている点は、すべてのグリッドがつねに接近した争いになることだ。ペースが似通っていて、グリッドが表示されると上位16〜17台が1秒以内にいる、なんてこともザラだ。それだけに巡り合わせが良ければグリッドを逆にすることができ、P16だったドライバーが次のレースでポールに立つことだって可能になるんだ」


 そのコムトゥユー・レーシングの体制発表により、2022年WTCRのグリッドエントリー数はすでに15台が確認されたが、アウディスポーツのカスタマーレーシング部門責任者であるクリス・ラインケは「2022年も、アウディRS3 LMSの成功を継続させたいと思っている」との抱負を述べた。


「年間3勝、12回の表彰台、4度のポールポジション、そして6回のファステストラップ記録など、これらの成功と貢献が“TCRモデル・オブ・ザ・イヤー”受賞の明確なメッセージとして記憶されることにつながった。コムトゥユー・レーシングは信頼できる有能なパートナーであり、我々としても継続性を重視していきたいと思っている」


 一方、ベナーニの古巣でもあるSLRは、こちらも2022年のTCRヨーロッパに向け新たな体制構築をアナウンス。フォルクスワーゲン、ヒョンデと続いてきたマニュファクチャラーとの関係性をスイッチし、新たにクプラ・レーシングとのジョイントを決め、復帰組のジョン・フィリピにクプラ・レオン・コンペティションTCRのステアリングを託す。


「SLRに戻って来られて本当にうれしいよ。土壇場での取り引きで新車に乗ることになったが、それは良い挑戦だし、チームのメンバーとは旧知の仲だから自信を持っているんだ」と、2年前には強豪ターゲット・コンペティションから参戦し、同シリーズ2位を獲得したフィリピ。


 2021年はニールス・ラングフェルド、サミ・タウフィク、フェリーチェ・ジェルミニ、そしてベナーニの4台体制を敷いたSLRだが、チームは現在、2022年後半にさらなるドライバーと新車を投入する可能性も評価しているという。


 そのTCRヨーロッパ2022年シーズンは、この週末となる5月1日にポルティマオで開幕し、合計21台の車両がグリッドに並ぶ。

2022年のTCRヨーロッパに向け、新たにクプラ・レーシングとのジョイントを決めたセバスチャン・ローブ・レーシング
チームは現在、2022年後半にさらなるドライバーと新車を投入する可能性も評価しているという

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