巨人・阿部監督「ここで勝負かけるって決めていた」9回代打・岸田起用ズバリ決勝打!阪神に今季6戦目初勝利「素晴らしい勝ち方」

2025年4月28日(月)5時0分 スポーツ報知

9回、岸田の適時打で生還したキャベッジ(左から4人目)を迎える巨人ナイン

◆JERA セ・リーグ 阪神1—2巨人(27日・甲子園)

 巨人・岸田行倫捕手(28)が同点の9回、決勝の左前打を放った。甲斐が加入し今季、出場機会が限られる中、阿部慎之助監督(46)の起用に応え、開幕からの阪神戦連敗を5で止めた。今季初先発の堀田賢慎投手(23)は5回1失点と試合を作り、救援陣5投手が無失点でつないだ。接戦を制し、首位・阪神と1・5差。貯金を2に戻し、3、4月の勝率5割以上を確定させた巨人は、29日から本拠での広島3連戦から始まるゴールデンウィークの9連戦に臨む。

 全員の思いが詰まった白球は甲子園の黒土に鋭く転がった。前進守備の三遊間をゴロが抜けた瞬間、長いトンネルの先に光が差し込んだ。1—1の9回1死三塁、代打・岸田が値千金の決勝左前打。ガッツポーズするヒーローに向け、阿部監督は拍手を送り「チームを勇気づけてくれた」とたたえた。

 攻めダルマと化した。先頭キャベッジが二塁打、萩尾がバントで送って8番・門脇。「ここで勝負かけるって決めていた。その後も長野も用意したし、ここで点を取れなかったら…っていうので勝負をかけた」。まず今季7打数1安打だった岸田を代打で送り、続く9番・佐々木の打順では経験豊富な長野を待機させた。二段構えの采配で、先陣の岸田が期待に応えた。

 捕手はここまでFA加入の甲斐が全試合スタメン。出場機会が少ない中でも、常に明るく前向きに取り組む岸田を信じて託した。「代打って難しい。その中でヒットを打つって素晴らしい。試合に出たくて、たぶんウズウズしていると思う。そういうのが、ああいう結果につながってくれてうれしい」。起用が的中した。

 初回、阪神に1点先取された。今季先行されると2勝9敗1分けの負のデータもよぎった。それでも3回に吉川の二ゴロの間に泥臭く同点。堀田は5回1失点で6回から継投に入った。7回2死、近本の投ゴロで中川の一塁悪送球を機に一、二塁のピンチ。ケラーが森下を抑えて救った。

 グリフィンがコンディション不良のため直前で先発回避し、ブルペンデーとなった20日のヤクルト戦(神宮)。来日初先発のケラーは2ランを浴び1回2失点だった。試合後、阿部監督はケラーを呼び、慣れない役割での起用を謝罪した。「急な先発だし、全く気にしなくていい。悔しいだろうけど、こっちも申し訳ないと思っている。またリリーフで頑張ってくれ」。ブルペン陣も一丸となって白星を呼び込んだ。

 この日は阪神OB吉田義男さんの追悼試合。阪神ナインは全員、背番号「23」で臨んだ。「素晴らしい功績を残された方。私事ですけど85年はタイガースファンだったので。日本一の映像を試合前に見させていただいたんですけど、すごく懐かしいなと」。歴史ある伝統の一戦で熱戦を制した。

 球団77年ぶりの阪神戦開幕から5戦5敗。この日負ければ6戦6敗、88年ぶりの屈辱だった。「本当、総力戦。向こうも必死でしたし、うちも必死。素晴らしい勝ち方だった。まずは1個やり返せただけ。まだこれから先長いし、一つずつ返していきたい」。執念の逆転勝ちで今季の阪神戦6度目の正直で初白星。苦しみながら重い扉をこじ開けた。(片岡 優帆)

スポーツ報知

「阪神」をもっと詳しく

「阪神」のニュース

「阪神」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ