超一流は夢でも失敗しない…巨人・阿部監督「やってやろうじゃないの」に思った成功のメンタリティー
2025年4月28日(月)16時0分 スポーツ報知
泉口友汰(右)とタッチをする阿部慎之助監督(カメラ・義村 治子)
◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
新聞社“あるある”かもしれないが、まあまあな頻度で、いや〜な夢を見る。今なら紙面が完成しないまま校了時間を迎えてしまう夢。取材記者時代は、書いていたはずの原稿がいきなり消える、大きなニュースを特オチする(これは正夢になったことも…)などなど。覚醒してホッ…なんてことは、誰もが経験しているだろう。
じゃあ、プロ野球選手はどんな夢を見るのか。チャンスで全打席凡退する。1イニングでまさかの30失点。自分の打席だけ応援がピタリとやむ。振ろうと思ったらバットを握ってなかった…というのも、聞いたことがある。こんな超人たちでもそういう夢を見ることがあるんだなと、ちょっとだけ親近感がわいた。
しかし、猛者が集うプロ野球界。こういう人もいた。「5発打ったのに夢だったとか、完全試合やって喜んでいたら目が覚めたとか。あれはよくないな」。いやいやいや。さすがです。阿部慎之助監督。これが超一流のメンタリティーってやつか。失敗にビビるより、いつも成功をイメージしているからなのか。「やってやろうじゃないの」とキャンプ初日にナインに訓示した言葉を聞いたとき、この話を思い出した。指揮官になった今も、ハッピーな夢を見てるに違いない。
そして、もうひとり。「野球の夢なんて見ないっしょ。なんで寝てる時まで(笑)」。いつもひょうひょうとして、何がホントで何がウソかよく分からない人ではあったが。長野久義選手。過酷な世界で長いこと結果を残してきた秘密は、このユルさにあったのかも。で、結局どんな夢を見ていたか。それは内緒。(レイアウト担当・尾形 圭亮)
◆尾形 圭亮(おがた・けいすけ) 2009年入社。22年まで巨人担当。23年からレイアウト担当。