対阪神戦の連敗は止めたが…福本豊氏が指摘する巨人の”見過ごせないミス”
2025年4月28日(月)5時40分 スポーツ報知
7回、ピンチをしのいだケラーへ笑顔を向ける甲斐拓也(カメラ・小林 泰斗)
◆JERA セ・リーグ 阪神1—2巨人(27日・甲子園)
甲斐の執念のリードが、勝利を呼び込んだ。9回1死三塁の窮地で、マルティネスに要求したのは6球連続の内角ストレート。追い込んだ後はフォークで空振り三振を奪いたくなる場面だが、阪神・渡辺の体に近いゾーンで真っ向勝負を挑んだ。そこにきっちり投げ込んだマルティネスもさすがだったし、遊撃・泉口のホームへのストライク返球も光った。
制球が定まらなかった先発の堀田を1失点の好投に導いたのも、腹をくくった甲斐の配球があってこそだ。5回2死一、二塁から佐藤輝をチェンジアップで空振り三振に仕留めたが、布石となったのが1—2からの5球目の内角直球。自打球になるほどの厳しい攻めが、次の空振りにつながった。
巨人にとっては、大きな白星になったが、見過ごせないミスも多い。7回の守備では中川の一塁への悪送球で、リリーフを多く使う羽目になった。攻撃では7回に門脇がバントとエンドランを立て続けに決められず、勝ち越した9回も、萩尾が犠打のサインでストライクを見逃すシーンがあった。故障者も多く、主力を欠くだけに、小技や作戦をきっちりとできないのは致命傷。阿部監督も言う凡事徹底がゴールデンウィークの9連戦を乗り切るテーマとなる。(スポーツ報知評論家・福本 豊)