【高校野球】進学校の滝川に現れた二刀流右腕・新井 NPB9球団スカウトの前で152キロ計測
2025年4月28日(月)6時0分 スポーツニッポン
◇高校野球春季兵庫大会3回戦 滝川0—5報徳学園(2025年4月27日 明石トーカロ)
兵庫大会の3回戦4試合が27日に行われ、滝川は報徳学園に0—5で敗れて8強入りを逃した。投打二刀流として今秋ドラフト候補に挙がる「3番・投手」の新井瑛太(3年)は、7回2/3を投げて5失点(自責1)で強豪に屈した。それでも自己最速を1キロ更新する152キロを計測するなど、視察したNPB9球団のスカウトに持ち味を示した。
強豪撃破とはならなかったが、新井は底知れない潜在能力を示した。押し出しを含む11四球を記録したものの、5回までは散発3安打無失点。報徳学園と互角に渡り合い、自己最速を1キロ更新する152キロを計測した。昨春の選抜準優勝メンバーが残る打線から7三振を奪い、「秋から出力も上がり、変化球も良くなった」と収穫を口にした。
0—0の6回に2安打3四球を許して一挙4失点。球数が100球を超えた6回以降の与四球が7個あり、計170球を要して力尽きた。「無駄な球数が多く、まだまだだな…と感じました」。課題の制球力は、夏への伸びしろと言える。
進学校に現れた高校通算10本塁打を超える投打二刀流で、1年秋に投手転向と投手歴は浅い。それでも今月上旬のU18日本代表候補の強化合宿では、紅白戦に登板した14投手の中で最速の148キロをマーク。世代屈指の本格派投手へと急成長を遂げた。
球場では巨人などNPB9球団のスカウトが視察。ヤクルトの橿渕聡スカウトグループデスクは「ポテンシャルは素晴らしい。夏まで見ていきたい」と評価した。卒業後の進路は大学進学も選択肢の一つで、「春が終わったので、しっかりと考えていきたい」と熟考する。持ち味を示す春となっただけに、プロ志望となれば、さらに注目を集める夏になる。 (河合 洋介)
◇新井 瑛太(あらい・えいた)2007年(平19)10月26日生まれ、神戸市出身の17歳。小1から小束山少年団野球部で野球を始めて主に外野手。中学では明石ボーイズに所属。滝川では1年夏から背番号9でベンチ入りし、2年秋から背番号1。50メートル走6秒2、遠投100メートル。1メートル79、78キロ。右投げ左打ち。