クプラ陣営のSPコンペティションが2台体制で昇格表明。開幕戦は24台が参戦へ/TCRワールドツアー
2025年4月29日(火)8時0分 AUTOSPORT web

明けた5月最初の週末にシーズン開幕を控えるFIA格式ワールドシリーズ、FIA TCRワールドツアーに向け、これまでヨーロッパ格式選手権などを主戦場としてきたSPコンペティションが昇格し、フル参戦プログラムを運用する計画を確定。ジョン・フィリピとオーレリアン・コンテの2台体制で第3世代となる改良版『クプラ・レオンVZ TCR』を投入し、2025年のワールドツアーにデビューする。
世界戦を迎え入れる地元の選手権出身者として、初めてワールドツアーで総合優勝を果たしたフィリピは、昨季2024年までドライブしたアウディからスイッチし、キャリア初期に所属していたクプラのブランドをふたたび代表することになった。
「新しいチーム、新しいマシンだが、僕自身の野望は変わらない」と新年度への意気込みを語ったフィリピ。
「世界中のサーキットでトップ争いをし、ラ・マルセイエーズの響きを聴くことさ!」
一方、所属先チームに残留するカタチとなったコンテも、この最新型モデルで2年目のシーズンを戦う予定だ。
「2017年にヨーロッパのカップ戦で優勝して以来、ここまでずっとTCRでレースをしてきたが、なんだかもうベテランになったような気分だね(笑)」と、現在36歳のコンテ。「これまで以上に強い決意を持って、この国際舞台に戻ってきたいと思っている」
TCR規定を統括するWSCグループの会長であり、カテゴリー隆盛の立役者でもあるマルチェロ・ロッティも、チームが2025年にワールドツアー参戦を決定したことに喜びを表明する。
「改めてSPコンペティションが、こうして『クムホFIA TCRワールドツアー』のフルシーズンに、初めてクプラブランドを投入することを大変うれしく思っている」と語ったロッティ会長。
「レオンVZはすでに多くのTCRシリーズで競争力を発揮しており、そのポテンシャルは彼らチームと強力なドライバー2名が開幕から活躍するうえで、大きな力になると確信している」
この発表と前後して、2025年TCRワールドツアー開幕戦のエントリーリストが確定し、メキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスには24台のマシンが集結する。
リストには地元の13台に加え、すでに体制発表を済ませているホンダ陣営のゴート・レーシングや、体制維持を表明したBRCヒョンデN スクアドラ・コルセらが記載され、前者はエステバン・グエリエリと元南米王者イグナシオ・モンテネグロのFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRの2台体制に。後者は王者ノルベルト・ミケリスに、僚友のミケル・アズコナとネストール・ジロラミが残留、さらにリンク&コー・シアン・レーシングの4台を含むワールドツアー組11台が名を連ねている。
そのリンク&コー陣営は2025年のプログラムについてまだ公式発表していないものの、レギュラードライバーのヤン・エルラシェール、テッド・ビョーク、サンティアゴ・ウルティア、マ・キンファの4名がエントリーしており、シーズンを通してチームを牽引することになる模様だ。
また、TCRメキシコからエントリーする多くのチームには複数のドライバーが登録されており、各チームは予選と週末3ヒートのそれぞれに出場するドライバーを選抜すると見られる。