広島・大瀬良 今季も鬼門の東京ドーム 6回2失点も8年越し11戦連続で白星なし
2025年5月1日(木)5時0分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島0-2巨人(2025年4月30日 東京D)
今季も鬼門なのか——。広島・大瀬良大地投手(33)が30日の巨人戦で、6回2失点の好投及ばず2敗目(1勝)を喫した。東京ドームの同戦では18年4月15日に勝って以来、11戦で勝ちがなく5連敗、通算でも2勝9敗と苦戦する。打線も、開幕から無失点を続ける山崎の前に沈黙し、今季5度目の零敗。今季ワーストを更新する5連敗で貯金がなくなった。
痛打を浴びても、大瀬良は表情を全く変えず現実を受け入れた。0—0の6回、吉川と甲斐に与えた四球から2死一、二塁を招き伏兵の増田陸に2点二塁打を浴びた。フルカウントからの宝刀カットボールが甘く入り、左翼線へ運ばれた。痛恨の1球だった。
「内(狙い)のカットが、結果的に甘くいってしまった。(四球を)出しちゃいけないけど、あそこのボールはしっかり投げ切らないといけなかった。それができなかった」
開幕から無失点を続け、無双状態にある山崎との投げ合い。「1点もやっちゃいけない試合。そんな投球をしないと勝機はないと思っていた」と打ち明けたように、スコアレスで試合が進行する中、微妙な空気感が5回まで無四球だった制球に狂いを生じさせた。
「(四球を)出したくて出しているわけじゃないけど、結果的に2点を取られたので良くなかった…と。うまくコントロールできずに…という感じです」
不本意な形で終止符を打った投手戦。思い起こせば、昨夏の東京ドームもそうだった。首位攻防の8月8日。6回まで0—0だった試合は7回に暗転した。味方の失策が絡むなどして一挙5失点(自責2)。この日と同様に援護もなく、悔し涙をのんだ。この時も「1点取られてはいけない試合だった」と自身を責めた。
それにしても、東京ドームの巨人戦でなかなか勝てない。18年4月15日に白星を挙げて以降、11戦で勝ちがなく、これで5連敗。通算でも2勝9敗となった。今季もまた鬼門になってしまうのか…。
6回91球を投げ5安打2失点。好投及ばず2敗目が付いた右腕を、新井監督は「ナイスピッチング。しっかりゲームをつくってくれた」とねぎらった。
「フォアボールを出さないように、ヒットを打たれないように、ゼロで抑えられるように、頑張ります」
勝ち運は自らの手で引き寄せる。右腕は、そう心に誓っている。(江尾 卓也)