【高校野球】旭川北の最速144キロ右腕・菊地斗夢が春のブレイク目指す「自信を持てるようになったらプロに挑戦したい」
2025年5月2日(金)7時15分 スポーツ報知
春にブレイクの予感漂う旭川北の菊地
旭川の公立校に未完の大器がいる。過去2度の甲子園出場を誇る古豪・旭川北の菊地斗夢(とむ)投手(3年)は、185センチの身長から140キロ超の直球を投じる。ロマンあふれる右腕が、チームを21年ぶりの夏の甲子園出場に導くべく、まずは春のブレイクを目指す。
旭川北・菊地が、全道、全国に名を轟(とどろ)かせる。最速144キロ右腕は「自信を持てるようになったらプロに挑戦したい思いもある。(将来は)行けるところまで勝負していきたい」と腕をまくった。
身長は185センチあるものの、体重は69キロ。全国のドラフト候補と比べると体格は細身だが、運動能力は抜群だ。ジュニア五輪大会で全国17位に入ったクロスカントリースキーやタグラグビーで幼少期から体幹や下半身が鍛えられてきた。50メートル走は6秒フラット。走り高跳びは校内の同級生たちと比べ、20センチ以上高い180センチを誇る。
抜群のバネを武器に中学時代から最速138キロを計測していたが、注目されることはなかった。3年時に誘いを受けた私立校は道内の1校のみ。高校入学後も野手でのプレーが多く、1年秋の全道は三塁手として出場し、投手として目立つ存在ではなかった。
スタミナが課題で、1年時は「10球投げたらスピードがガクッと落ちていた」と笹森敦監督(57)。今オフは中3日で100球程度の投げ込みを繰り返し、体力強化を図ってきた。今秋のドラフト候補でOBの東京ガス・伊東佳希投手(23)からも定期的にトレーニング方法やフォームに関する助言を受けている。「アベレージは140キロいかないくらいまで上がった。球速を持続できるようになった」と成長を実感している。
昨秋は旭川地区予選2回戦で旭川龍谷と対戦。終盤まで接戦を繰り広げるも8、9回で4点を奪われて敗れた。1試合を投げ抜くために汗を流してきたオフの成果を示す春、夏の大会に向け、「悔いの残らないように、全部自分が抑えるつもりで投げる。甲子園で1勝したい」。旭川北の逸材が“ブレイク”する日は、そう遠くない。(島山 知房)
◆菊地 斗夢(きくち・とむ)2008年2月23日、当麻町出身。17歳。当麻小1年時に当麻野球少年団で野球を始める。当麻中では軟式野球部でプレー。旭川北では1年春からベンチ入り。好きなプロ野球選手は日本ハム・奈良間大己。右投左打。185センチ、69キロ。家族は両親と弟、妹。