菅沼菜々66で奪首「最初で最後の宝物」復調のきっかけは男子ツアー参戦 パナソニック・オープン
2025年5月3日(土)18時52分 スポーツニッポン
◇女子ゴルフツアー パナソニック・オープン第2日(2025年5月3日 千葉県 浜野GC=6751ヤード、パー72)
第1ラウンドの残りと第2ラウンドが行われ、17位で第2ラウンドに臨んだ菅沼菜々(25=あいおいニッセイ同和損害保険)が6バーディー、ボギーなし、第2ラウンド最少となる66をマークし、通算7アンダーで首位に浮上した。
最終9番、2メートルのバーディーパットを沈めた菅沼の顔に笑みが広がった。今季初の60台。しかも66のビッグスコア。取材エリアに現れると「ずっとショットはいいのに、パットが入らず流れをつかめなかった。やっとパットの感覚が良くなって、パットでリズムを作って、ショットの流れも良くなった」と声を弾ませた。
早朝に第1ラウンドの残り4ホールを全てパーで終えると、第2ラウンドは序盤からショットがキレキレだった。出だしの10番で残り131ヤードを9Iで50センチ、続く11番は残り121ヤードをPWで30センチにつけて連続バーディーで滑り出した。
17番はグリーン手前カラーから56度のウエッジで放り込みチップインバーディー。18番パー3は5Uで2メートルにつけて2度目の連続バーディー。後半はパー5の3番と9番でいずれも第3打をピンに絡ませて2バーディーを重ねた。
昨季はメルセデスランク79位でシード落ち。今季もここまで3試合で予選落ちが2度。アクサ・レディースの43位が最高と上位に顔を出せていなかった。前週、男子ツアー前澤杯に出場したことが復調のきっかけになった。「毎日、風が強かったのでいい経験になった。皆さん(男子プロ)のショット、アプローチ、パットも凄く勉強になった」。男子の早いプレースピードに合わせようとしたことで「アドレスしてすぐ打つ感じで、それが自分に合っていると思った」と、好調だった23年当時の早いリズムを思い出した。
前澤杯は予選落ちもなく、自身は賞金ランクに加算されない立場だったため、伸び伸びプレーできた。「怖さもなかった。去年だったら逃げていたところを、ピンに行けたので、凄くためになった」。攻める姿勢を取り戻す機会にもなった。
プロアマ戦の4日間を含む8日間を振り返り「最初で最後かも知れないので、宝物になった。これから女子ツアーでも役立つ場面が出てきそう」としみじみ語った。
2日には自身初のデジタル写真集「Nana’s moment」をリリースした。私服姿など、これまでに見せてこなかった一面を収めた一冊だ。菅沼は「ゴルフを知らない方に女子ゴルフの良さを知ってもらえて、ゴルフ界全体が盛り上がればいいと思うので、1人でも多くの人に見てもらいたい」とPRしたが、発売週に優勝すれば最高のプロモーションになる。
勝てば23年マスターズGCレディース以来のツアー3勝目。「1打1打楽しみながら優勝は考えずに。考えちゃうと思うけど、楽しくプレーできたらいい」。最後まで笑顔でプレーするつもりだ。