菅沼菜々 涙の復活V「希望や勇気届けたい」最後は笑顔 “自称アイドル”1年ななカ月ぶりに勝った
2025年5月5日(月)4時45分 スポーツニッポン
◇女子ゴルフツアー パナソニック・オープン最終日(2025年5月4日 千葉県 浜野GC=6751ヤード、パー72)
首位で出た菅沼菜々(25=あいおいニッセイ同和損保)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算10アンダーで逃げ切り、23年10月以来となる1年7カ月ぶりのツアー3勝目を飾った。閉鎖された空間などで不安を感じる「広場恐怖症」を抱える一方、ライブ開催や写真集も発売するゴルフ界の“自称アイドル”が涙の復活Vを遂げた。
自称アイドルの目にキラリと涙が輝いた。最終18番パー3、菅沼はグリーン奥から40センチに寄せ、優勝を決定づけた。「パーパットを打つ前に去年のつらかったことを思い出した。こんなに早く復活できると思わなかった」。17番のボギーで1打差に迫られたもののリードを死守。うれしい涙の復活Vだった。
昨季は極度の不振に陥りシード落ち。最終予選会も102位に沈んだ。周りを元気にするはずの笑顔も消え、約1カ月半、クラブを握らなかった。それでも1月のファンミーティングで「パワーをもらい、今年も頑張んなきゃと思えた」。声援が支えになった。
女子ゴルフの素晴らしさを広めようとオフには臼井麗香とアイドルユニット「Chell7」(ちぇるなな)を結成し、ライブを開催。今月2日には初のデジタル写真集「Nana’s moment」も発売したばかり。ファンにとっても最高のタイミングで優勝となった。
広場恐怖症を抱え、飛行機や新幹線に乗れない。オフには2度路線バスに乗車すると約20分症状が出ず回復の兆しもある。それでも出場試合は限られ、シード復活の面でもこの優勝は大きい。「これからも上位に入って希望や勇気を届けたい」。次週の国内メジャー、ワールド・サロンパス杯(茨城GC)出場権も獲得。菅沼はこれからも元気いっぱい“緑のステージ”に立つ。(福永 稔彦)
◇菅沼 菜々(すがぬま・なな)2000年(平12)2月10日生まれ、東京都出身の25歳。5歳でゴルフを始める。埼玉栄高卒。18年7月プロテスト合格。23年NEC軽井沢72でツアー初優勝。同年NOBUTA GROUPマスターズGCレディースで2勝目。ゴルフ以外のスポーツ歴はダンス。好きな色は水色とピンク。趣味は住宅展示場に行くこと。1メートル58。