メジャー初制覇を果たした西郷真央が開幕から狙っていた最大のターゲットとは

2025年5月9日(金)8時15分 スポーツニッポン

 【福永稔彦のアンプレアブル】米女子ゴルフのシェブロン選手権で米ツアー初優勝を飾り、日本女子5人目のメジャー制覇の快挙を成し遂げた西郷真央(23=島津製作所)が6日に一時帰国した。

 4月下旬のシェブロン選手権では劇的な形で勝利をつかんだ。最終ラウンドの18番で3メートルのバーディーパットをねじ込んで優勝争いに生き残り、メジャー史上最多の5人で行われたプレーオフでは、1ホール目で唯一人バーディーを奪い決着をつけた。

 成田空港で取材に応じた西郷は「優勝が決まった時は信じられないくらい凄くうれしかった。一生忘れられない思い出。最後まで諦めずにプレーしたことでつかみ取れたと思っている」と話し、1メートルのウイニングパットを沈めた瞬間を振り返り感慨をにじませた。

 日本滞在中には師匠・尾崎将司(78)のもとを訪れ、優勝を報告する。また「好きな日本食を食べて、睡眠を確保して体をしっかり休めたい。クラブの調整もしたいし、3日以上クラブを握らないとスイングの感覚は変わってくるので、変わらない程度には練習したい」とも話しており、連戦の疲労を癒やすため休養を優先しつつ、次戦のメジャー第2戦全米女子オープン(29日開幕、ウィスコンシン州)に備えることになる。

 全米女子オープンでは22年が44位、23年は33位に入った。しかしツアーメンバーとして臨んだ昨年(パー70)は初日に5オーバー75、2日目は4オーバー74を叩いて予選落ちを喫した。メジャーの難コースに打ちのめされた。

 「昨年の全米女子オープンでは悔しい思いをした。自分が止まってほしいところに止まってくれなかったり、いいショットがいい結果を生まないことが多々あった。自分の中で引っかかっていたので、今年に入ってアイアンのロフトを寝かしたり調整してきた」

 西郷はプロ1年目の20年にミズノとクラブ契約を結んだ。23年からは契約をフリーにして、今季はウッド系はタイトリストに変更しているが、アイアンは引き続きミズノのモデルを愛用している。手になじんだ武器だが、固いグリーンで思うように球が止められなかった。その反省からロフトを寝かせて、止まるショットが打てるように調整してきた。

 一方で肉体改造にも取り組んできた。トーナメント明けの月曜日は毎週ジムに通い、ウエートトレーニングを行うことをルーティンにしている。筋肉で固めたボディーは、オフに再会したジャンボ軍団の男子プロを驚かせたほどだった。昨年の全米女子オープンで味わった屈辱を糧に努力を重ねてきた。その成果がシェブロン選手権での戴冠につながった。ただ最大のターゲットはもっと先にある。

 「昨年、自分の不甲斐なさを一番感じた試合なので、そこに向けてフォーカスしたい。自分がこの1年でどれだけ成長したかが出る試合だと思う」

 全米女子オープンこそがこの1年間の進化を証明する舞台。日本人初のメジャー2連勝へ。モチベーションは高まっている。(スポーツ部専門委員)

スポーツニッポン

「メジャー」をもっと詳しく

「メジャー」のニュース

「メジャー」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ