大谷翔平、決勝バンザイ12号「本塁打になるだろうな、と確信を持ってそう言える打球」世界の王をほうふつさせるポーズで球場わかせた
2025年5月11日(日)1時0分 スポーツ報知
◆米大リーグ ダイヤモンドバックス11—14ドジャース(9日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が9日(日本時間10日)、決勝の3ランを放った。敵地・Dバックス戦に「1番・DH」で先発出場。11—11の9回に劇的な12号で試合を決め、本塁打でメジャー全体のトップに並んだ。3安打で今季自己最多の4打点と大暴れ。3年連続キングに向けて本領発揮の時が近づいてきた。
バットを放り投げ、打球を見送ることなくバンザイした。大谷は広げた両手をパタパタさせながら走り出した。「本塁打になるだろうな、と確信を持ってそう言える打球だったと思います」。王貞治(巨人)が世界新記録の通算756号を放った時をほうふつとさせる光景だった。
3点を追う9回。3本の適時打で同点とし、なおも1死一、二塁で変則右腕・トンプソンのフォークを振り抜いた。打球速度113マイル(約181・9キロ)、角度26度、飛距離426フィート(約129・8メートル)で右中間席へ。2戦連発の12号は今季初の3ラン。劇的な決勝アーチで、本塁打王争いでメジャートップタイに浮上した。「最後は僕が決めましたけど、それまでの追いつく過程が素晴らしかった。そう何回もあるような試合展開ではないですし、最後は熱かったと思います」。MLBが公式Xで「もはや映画」と表現したバンザイシーン。敵地ながら「MVPコール」も起きたが、仲間をたたえるのが大谷らしかった。
5月で5発目。シーズン49発ペースだが、チーム39試合目での12号は54本塁打した昨季よりも5試合も早い自己最速。同じ岩手出身の佐々木の登板試合では3発目と後輩思いの一面もある。初回は中堅フェンスを直撃する二塁打。米データサイト「ベースボール・サバント」によると、30球場のうち28球場ならホームランだったという。ロバーツ監督は「彼とバリー・ボンズ、この2人が私が今まで見た中で最高の選手。翔平が大事な場面でやることは異次元だ」と最大級の賛辞を贈った。
真美子夫人、長女と会えない今季最長のビジター10連戦はこの日が8戦目。本拠地の時でさえ、指揮官が「頻繁にスマホで赤ちゃんを見ている」と証言しており、寂しいに違いない。ゴームズGMは冗談で「(左肩手術明けだが)赤ちゃんを抱っこすることで左腕が強くなるだろうね」と声をかけられたという。鍛え上げられた両腕で、かっこいい姿を届けた。2回の適時二塁打と合わせて今季6度目の猛打賞とし、打率も3割4厘に上昇。いよいよ止められなくなってきた。(中村 晃大)