とにかく「雨天中止」が多い野球 それでも日本のファンに愛される理由とは...

2025年5月12日(月)8時0分 スポーツニッポン

 長く野球担当の記者をしているが、常々「不思議だな」と思うことがある。野球の持つ特殊性。なぜ日本のファンにこれほど愛されるスポーツなのか。

 プロ、アマともに野球はとにかく「雨天中止」が多い。ヤクルトは4月だけで5試合も中止になった。サッカーなど他の屋外スポーツは、基本的に雨でも試合は行う。しかし野球は当日になって、それも試合開始の2〜3時間前に中止が決まるのだ。スポーツに限らずコンサートなども含めて、数万人規模の大イベントが当日に中止(不慮の事故などを除く)になることなど、興業の世界ではおよそ考えられないだろう。

 もちろん試合が見られないのは残念ではあるが、野球ファンはこの中止を当たり前のように受け止めている。四季がある日本で、自然とともにプレーするからこそ野球には風情がある。そう思っているかのように。雨天中止も「風情」の一部だ。

 雨はもちろん、風の強さに暑さ、寒さ、日差しの強さ…。プレーに影響を及ぼす要素は数多くある。ドーム球場は雨天中止がなく、風や暑さなど天候の影響を受けないのが最大の利点だが、神宮や横浜、甲子園、ZOZOマリンなど、気候や自然に振り回されながら懸命にプレーするのもまた、人間味があっていい。

 もうすぐ梅雨の季節がやってくる。中止も増えるだろうが「晴耕雨読」のごとく、雨なら仕方がない——が野球好きの共通認識。ファンは晴れの日に畑を耕すがごとく、雨上がりの声援を選手に送ることを楽しみにしている。(記者コラム・鈴木 勝巳)

スポーツニッポン

「野球」をもっと詳しく

「野球」のニュース

「野球」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ