デポルティーボの2部復帰が決定! “漢”ルーカス・ペレスが殊勲のFK弾で5年ぶりのセグンダに導く

2024年5月13日(月)14時39分 サッカーキング

デポルティーボがセグンダ昇格 [写真]=Getty Images

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 12日、プリメーラ・フェデラシオン(スペイン3部相当)・グループ1第36節バルセロナBに勝利したデポルティーボが、同リーグ優勝およびセグンダ昇格を確定させた。

 ガリシアの名門が、復権への第一歩を踏み出した。12日に行われたプリメーラ・フェデラシオン・グループ1第36節で2位バルセロナBと対戦した首位デポルティーボ。31,833人が集結した本拠地『エスタディオ・デ・リアソール』で行われた試合はスコアレスのまま迎えた57分、ボックス手前正面でフリーキックを獲得した。キッカーは、FWルーカス・ペレスだ。2022年末、当時所属していたカディスから、契約解除金の半分にあたる約50万ユーロ(約8300万円)を自腹で支払い、2つ下のカテゴリーで足掻く古巣に復帰。そんなエピソードを持つ“漢”の左足から放たれたボールはゴール右下隅に突き刺さった。デポルティーボはこの1点を守り切り、残り2試合で両クラブの勝ち点差が『7』に。プリメーラ・フェデラシオン優勝、そして、3部リーグに在籍した1757日の果てに、5シーズンぶりのセグンダ復帰が決まった。

 スペイン北西部ガリシア州に本拠を構えるクラブは、2000年代初頭に“スーペル・デポル”の異名で黄金期を迎えた。ハビエル・イルレタ監督の下、マウロ・シルバやフラン、フアン・カルロス・バレロンらを擁したチームは1999−00シーズンから2003−04シーズンまでの5年間で、ラ・リーガとコパ・デル・レイをともに1度ずつ優勝した他、リーグ戦では3位以上の成績を収め続けた。極め付けは、2003−04シーズンのチャンピオンズリーグだ。クラブ史上初のベスト4進出を決めた準々決勝ミラン戦は、ファーストレグの1−4の大敗からセカンドレグで2戦合計スコアを5−4(セカンドレグのスコアは4−0)にひっくり返し、同大会史に刻まれた伝説的な試合となった。しかしその後は主力選手の高齢化や戦術のマンネリ化、さらには財政状況の悪化で衰退。2017−18シーズンを最後にラ・リーガから遠ざかると、元日本代表MF柴崎岳(鹿島アントラーズ)が在籍した2019−20シーズンには3部に降格。かつてスペイン、欧州を席巻した“スーペル・デポル”は見る影も無くなっていた。

 今シーズンはリーグ戦30試合に出場し12得点17アシストを記録しているルーカス・ペレス。試合後、地位やお金を捨てて、最愛のクラブに対する恩返しを果たした殊勲の35歳は「僕が戻ってきた時、みんなクレイジーだと言ったよ。彼らは、僕にとってのデポルティーボが何なのかを理解していなかったんだ」としつつ、「生まれ故郷の街とデポルティーボ、そして家族や友人たちに、かつて僕の頭の中から離れなかったものを返せた気がする」とこの美しすぎる物語を振り返った。

 名門復権の狼煙が上がった。来シーズンから身を置くセグンダを経て、ラ・リーガ、そして欧州コンペティションにデポルティーボが戻ってくることを願うばかりだ。


【動画】昇格決定直後の歓喜のデポルティーボ

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