阪神・桐敷 “第二の故郷”新潟で1回完全! 大歓声を背に「思いっきり投げられた」
2025年5月14日(水)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神1—1DeNA(2025年5月13日 ハードオフ新潟)
“第二の故郷”で成長した姿を見せた。阪神・桐敷は8回から2番手で登板。危なげなく無失点に封じ込めると、球場から大歓声が降り注いだ。
「いや、もう楽しかったです。良かったです。多くの人が声援を送ってくれたのでうれしかったですし、特別な時間かなと思いました。思いっきり投げられたので良かったです」
高揚感は胸の内にしまい込み、マウンドでは冷静そのものだった。出番がやって来たのは0—1で迎えた終盤。先頭の牧はダイビングキャッチを試みた佐藤輝の好プレーで三直に仕留めると、勢いは加速。続く度会はわずか2球で二ゴロ、オースティンはカウント2—2から148キロ直球で見逃し三振に斬った。
プロ入り前に新潟医療福祉大時代を過ごした思い出の地。埼玉県出身だが新潟に親戚がいたこともあり、「縁もありました」と4年目左腕にとっては幼い頃から訪れていた“第二の故郷”だ。
慣れ親しんだ球場でしっかりと結果を残した。冬の積雪時はハードオフエコスタジアム新潟の室内練習場でチームメートとともに練習。リーグ戦で登板した記憶もよみがえる。知り尽くしているからこそ、25歳の若虎は「逆に多分、緊張しちゃいます」と豪快に笑っていたが、大歓声を力に変えた。
大学時代は同球場でプロ野球を観戦。数年の時を経て、プロとしてその舞台に帰ってきた。この日は、大学時代の恩師や友人、野球部の先輩後輩など約20人が背番号47の勇姿をひと目見ようとスタンドに集結。「ずっと大学の4年間は試合を見ていた側だったので不思議(な感覚)ですね」と少し照れくさそうに目を細めた。
勝ち負けこそつかなかったが、恩返しの思いを乗せた11球。より一層たくましくなった姿で再び戻ってくることを心に誓った。