【現地情報】偽名のフェルスタッペン登場で瞬く間にパドック騒然! 『ニュル参戦』へ膨らむ期待と懸念材料
2025年5月16日(金)7時32分 AUTOSPORT web

5月9日のドイツ・ニュルブルクリンク。NLSニュルブルクリンク耐久シリーズ第3戦前日のフリー走行枠で、レッドブルのカラーリングを施したフェラーリ296 GT3がテスト走行を行った。
車体に記載されたドライバー名は『フランツ・ヘルマン』。ただしそれはいわゆる偽名で、マシンをドライブしていたのは、まさかのレッドブルのF1ドライバーであるマックス・フェルスタッペン本人そのものだった。ゼッケン『3113』を掲げ、午前9時〜午後6時のテスト走行枠で、SIMレーサーだというチームメイトと交代しながら、ニュルブルクリンクの北コースを走り込んだ。
■メディア対応はNG。DTM用トランポでマシン搬入
NLSといえば、ファンが自由にピットに出入りできることから、ファンとチームやドライバーが非常に身近な存在のレースで有名なのだが、まさかフェルスタッペン本人がドライブしているとは誰も最初は信じていなかった。
しかし、そのウワサが瞬く間にパドックやSNSを通じて拡散すると騒然となった。走行時間終了までニュルに滞在したフェルスタッペンのピット周辺はファンやメディア関係者で人だかりができたが、プライベートということで残念ながらメディア対応はすべてシャットアウトとなった。
フェルスタッペン自身がチームオーナーである『Verstappen.com Racing』は、スイスのエミル・フレイ・レーシングとタッグを組んでDTMドイツ・ツーリングカー選手権やGTワールドチャレンジでレースプロジェクトを行っているのだが、そのエミル・フレイがこの日のテストチームも担い、DTM用のトランスポーターで車両を搬入、タイヤはニュルスペックのミシュランを装着していた。
フェルスタッペンはフェラーリ296の他、アストンマーティン、アウディなどのGT3マシンを複数台所有し、F1やイベントなどと重ならない限りはチームのテストに参加して自身でステアリングを握り、チームに所属するドライバーらへのアドバイスにも役立てているという。
フェルスタッペンといえばゲーム好きでも有名で、バーチャルレーサーとしても名を馳せており、スケジュールの都合が合えばNLSのeスポーツ版である『NLSデジタル』にも参戦しているだけに、ニュル好きはホンモノだ。
この日のニュルでのテストはNLSに参戦するチーム以外も参加が可能で、入場チケットも不要なため、サーキットタクシーなどのイベントも同時開催されており、数多くのファンがニュルを訪れていた。
ニュルにいた多くのファンや主催者にもNLSやニュルブルクリンク24時間レースへの将来的な参加に期待が膨らんだという。
ただ、もしもフェルスタッペンがニュル24時間レースへ参戦を希望する場合には、F1ドライバーであってもニュル専用のドライバーライセンス『Permit』を取得する必要があり、座学や実車講習を受講する必要がある。加えて、GT4等の車両でNLSへ規定数の参戦を果たす必要があることから、多忙なフェルスタッペンにとってはPermit取得こそが唯一のネックとなることは間違いない。
F1のスケジュール次第では今季のNLSに参戦するのではないか、という噂がすでに飛び交っている。フェルスタッペンが公式にニュルのレースへ参戦する日を、心待ちにしたいところだ。