「宇野昌磨引退」表記への違和感 プロ転向で広がる活動の場 増す存在感 競技会出場だけが全てではない

2024年5月16日(木)11時0分 ココカラネクスト

宇野が今後はプロとして観客を魅了する(C)Getty Images

 涙はなく、清々しい再出発の場でした。

 フィギュアスケートの男子で2018年平昌五輪では銀メダル、2022年北京五輪では団体銀メダル、個人銅メダルに輝いた宇野昌磨選手が5月14日、東京都内で引退会見に臨みました。45分間は笑みが絶えず、ユーモアにあふれた宇野選手らしいひと時でした。

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 スポーツ紙のデスクは言います。

「会見の模様は宇野選手が所属するトヨタ自動車のYouTubeチャンネル『トヨタイムズスポーツ』で生配信されたのですが、終盤には『スクショタイム』が設けられるなど、最後まで応援してくれたファンの方々への感謝があふれているのが印象的でした」

 競技者としての人生を終えた今後は、プロに転向し、アイスショーへと活動の場を移します。すでに7月には鹿児島での「プリンスアイスワールド」や愛知、東京での「THE ICE」、8月にはスイスで大きなショーに臨み、9月には東京で開催される「ワンピース・オン・アイス」でルフィ役を務めるなど、ハードな日々が待っています。

 そして、素直な疑問が湧いてきます。

 フィギュアスケートの選手は競技者からプロになると「引退」とされますが、果たして宇野選手は“引退”なのだろうか、と。

 前述のデスクはこう語るのです。

「各メディアも前例に基づいて『宇野昌磨が引退』という報道をしましたが、違和感はぬぐえないところです。プロ転向という意味でいえば、花巻東の大谷翔平選手が日本ハムにドラフト1位で入団することを『引退』とは書かないですから(笑)。宇野選手はむしろプロとして、今後は活躍のフィールドを広げていくことになるでしょう」

「確かに競技者として日本勢最多となる五輪でのメダル3個、世界選手権で日本男子初の連覇を成し遂げた宇野選手の功績は素晴らしいものがあります。一方で表現者、創造者としての宇野選手にも今後、期待が高まる一方です。競技会からは一線を引くことになりますが、他ジャンルのクリエイターとのコラボレーションなど、ファンにとってのワクワクドキドキは増えることになるんじゃないでしょうか。そんな輝かしい未来を考えた時に『引退』という見出しは似つかわしくないような気がします(笑)」

 今回の「引退報道」を通じて、人々はあらためて宇野選手の歩んできた栄光の道へと思いを致し、競技者として歩んできた21年間へ敬意を示しています。

 会見では「競技から離れた分、ゲームに費やす時間も増えるかな」とジョークまじりで話した宇野選手。しかし、宇野選手だからこそ表現できること、ファンにプラスのメッセージを与えられることはたくさんあります。

 多忙な毎日を送りながら、宇野選手はその卓越した技術と情熱で、人々をさらに笑顔にしていくことでしょう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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