「来ていただいたタイミングで達成できてよかった」日本ハム・宮西尚生がスペシャルゲスト・中島健人の前でプロ野球新880戦連続救援
2025年5月16日(金)6時0分 スポーツ報知
7回2死三塁、西川龍馬を二ゴロに抑えて日本新記録となる880試合連続リリーフ登板を達成した宮西尚生(カメラ・上村 尚平)
日本ハムの宮西尚生投手(39)が0—0の7回2死三塁で今季11試合目のマウンドに上がり、西川を二ゴロに抑えた。連続救援登板を880試合に伸ばし、879試合で並んでいた岩瀬仁紀(中日)を抜いてプロ野球記録を塗り替えた。直後にチームが先制して7—0で勝ち、2年ぶりの勝ち星もついた。昨季は前人未到の400ホールドを達成。6月には40歳を迎える鉄腕が、またも新たな記録を打ち立てた。
何度もグラブをたたいてほえた。7回2死三塁のピンチ。宮西は141キロ直球で西川を二ゴロに仕留めた。プロ野球新記録となる880試合連続救援登板を達成。ベンチに戻ると、割れんばかりの拍手の中、新庄監督から花束を贈られた。「(記録は)忘れていて、周りから花束があるのを教えられた。(新庄監督に)何て言われたか覚えていない。それぐらい入り込めていた」と興奮気味に振り返った。
新庄監督からのメッセージは「日本記録を作ってしまったから、今度は一から新人のつもりで野球を楽しんで」というもの。試合後、報道陣からその内容を伝え聞くと「監督が去年から言ってくれた『目の前の試合を楽しむ』というのが起点で、第2章のスタートになっている」と考えを変えてくれた指揮官に感謝した。
“金言”も力に変えた。最優秀救援投手のタイトルを取った18年、その年に現役を引退した岩瀬氏と授賞式が一緒になった。その際、「俺の記録を抜かせよ」と声をかけられた。これまで左肘の手術を3度経験。22年は自己ワーストの24試合登板にとどまった。それでも刻んだ言葉を思い出した。「その言葉が印象的で、つらいときでも岩瀬さんの数字があるから踏ん張れた」
この日は、スペシャルゲストとして歌手で俳優の中島健人が始球式を務め、ヒーローインタビューも担当。大人気アイドルからインタビューを受け「新記録で宮西一色かと思えば、中島一色(笑)。でも、来ていただいたタイミングで記録が達成できてよかった」と笑いをとった。
関学大から08年に日本ハム入りしてから救援一筋。6月、40歳を迎える左腕の次なるターゲットは残り20試合となった史上4人目の900試合登板だ。岩瀬氏が持つ通算1002試合のプロ野球記録に向けても「一歩ずつその登板数を目指してやっていきたい」。鉄腕左腕はまだまだ腕を振る。(川上 晴輝)
▼F宮西連続リリーフ登板の新記録 日本ハム・宮西尚生投手(39)は15日、対オリックス12回戦(エスコン)にリリーフ登板し、プロ初登板の08年3月25日対西武1回戦(札幌D)から880試合連続のリリーフ登板。岩瀬仁紀(中)の879試合を抜いて、連続試合リリーフ登板のプロ野球新記録となった。