ニッサン、赤旗で優勝逃しまたも2位。マセラティ東京連覇&バンドーンが今季初優勝【フォーミュラE第8戦決勝】

2025年5月17日(土)17時19分 AUTOSPORT web


 5月17日(土)、東京・有明の東京ビッグサイト周辺にて2024/25年フォーミュラE第8戦『東京E-Prix』の決勝が行われ、荒れた展開を味方につけたストフェル・バンドーン(マセラティMSGレーシング)が14番手から早めのピットストップ後の赤旗で逆転勝利を飾った。


 朝から雨が降るなかスタートした土曜日の第8戦。予選は悪天候を理由にキャンセルとなり、午前中のフリープラクティス2(FP2)のタイム結果をもとにスタートグリッドが決定された。



 電動フォーミュラを使うフォーミュラEのレースでは、特定のコーナーのアウト側の規定エリアを通過して起動する高出力モードの『アタックモード』が備わっており、規定によってレース中の2度の使用が義務付けられている。


 さらに第8戦では、今季より新導入された『ピットブースト』も義務化。各ドライバーはレース中の決められた周回数の範囲内でマシンをピットへ戻し、600wの急速充電を30秒間行う必要がある。


 こうしたギミックの活用がカギを握る第8戦のポールポジションは、地元ニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランド。2番手にはエドアルド・モルタラ(マヒンドラ・レーシング)がつけた。


 予選後も雨は降り続き、15時05分開始予定となっていた決勝は10分ディレイとなる。まずは15時15分に、セーフティカー(SC)の先導で周回がスタート。そして4周が経過したタイミングでSCは隊列を離れ、スタンディングスタートが切られた。



ポールポジションスタートで終始、圧倒的な速さを見せていたニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランドだったが、赤旗で優勝を逃して東京大会2連続の2位に

 まずは蹴り出しの良いローランドがホールショットを決め、モルタラ、テイラー・バーナード(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)が続く。序盤、ハイペースのローランドが徐々にギャップを築き始めたなか、中団のマキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)がマシントラブルで停止し、14周目に赤旗が掲示された。


 この赤旗までにピットブーストを済ませていたのはストフェル・バンドーン(マセラティMSGレーシング)のみ。赤旗中断によってピットロスを取り戻すこととなり、ビッグチャンスが舞い込んだ。


 レースは10分間ほどの中断後に再開され、ふたたびスタンディングスタート。ローランドが首位を守り、2番手にモルタラ、3番手にはセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)がつける。



 ここからは各ドライバー、アタックモードの義務消化を進めていき、4番手以下はピットブーストの動きも影響して順位が入り乱れる。ただ、トップ3はアタックモードを使用し合いながらも均衡状態が続く。


 その後はアクシデント等もなくレースは進行し、上位のローランドらは残り15周となるタイミングで軒並みピットへ。ピットブーストを終えてコースへ戻ると、バンドーンが首位へ浮上した。


 2番手はローランド、すぐ背後にはバーナードと、ニッサンのパワートレインを搭載する2台が続いたが、展開を味方につけたバンドーンは20秒以上先。残る周回数でプッシュし続けたローランドは、最終的に8.140秒までギャップを縮めたが追いつくことは叶わなかった。


 終盤には、SCランに基づいた3周のアディショナルラップが加わり、計38周となった第8戦は、荒れたレース展開を味方につけたバンドーンが今季初優勝。これでマセラティは、2024年大会のマキシミリアン・ギュンターの勝利から続く東京大会連勝を飾った。2位はローランド、3位はバーナードという表彰台となった。


 明日18日(日)の第9戦は、午前のFP3からセッションがスタート。その後予選、決勝が順に行われる。晴れ予報の第9戦は、どんなレースが展開されるだろうか


■2024/25年フォーミュラE第8戦東京E-Prix 順位結果













































































Pos.No.DriverTeamLaps / Gap
12S.バンドーンマセラティMSGレーシング38Laps
223O.ローランドニッサン・フォーミュラEチーム+8.140
35T.バーナードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム+8.695
416S.ブエミエンビジョン・レーシング+9.047
533D.ティクトゥムクプラ・キロ+14.499
648E.モルタラマヒンドラ・レーシング+15.974
713A.F.ダ・コスタタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム+19.035
821N.デ・フリースマヒンドラ・レーシング+20.781
925J-E.ベルニュDSペンスキー+22.529
104R.フラインスエンビジョン・レーシング+23.958
1137N.キャシディジャガーTCSレーシング+25.039
1251N.ミューラーアンドレッティ・フォーミュラE+29.794
131P.ヴェアラインタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム+31.111
148S.バードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム+40.763
1517N.ナトニッサン・フォーミュラEチーム+42.345
1622Z.マローニローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム+43.600
1711L.ディ・グラッシローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム+46.468
183D.ベックマンクプラ・キロ+51.851
1955J.ヒューズマセラティMSGレーシング+1Lap
NR9M.エバンスジャガーTCSレーシングNR
NR7M.ギュンターDSペンスキーNR
DQ27J.デニスアンドレッティ・フォーミュラENR


※リザルトは編集部集計



ウエットレースとなった2025年のフォーミュラE第8戦東京大会


母国での初レースとなったローラ・ヤマハだったが、ゼイン・マローニの16位が最上位の成績となった


2024/25年フォーミュラE第8戦東京E-Prixで優勝したストフェル・バンドーン(マセラティMSGレーシング)

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