大谷翔平参考の新フォームで打撃不振脱出なるか アウトマンの巻き返しに期待

2025年5月18日(日)14時2分 スポーツ報知

柔和な笑顔を見せるアウトマン外野手(カメラ・村山みち通信員)

 ドジャースのT・ヘルナンデス外野手の代役としてメジャー昇格したジェームズ・アウトマン外野手(28)の打撃が変わってきた。5月15日(同16日)の本拠地アスレチックス戦では、16—2の6回1死から相手右腕の94・8マイル(約152・6キロ)シンカーをノーステップ打法で振り抜くと、打球は中堅フェンスを越える2号ソロとなった。

 今年は東京シリーズでロースター入りして来日したが出場せずに、東京開幕戦後に降格。それでも、T・ヘルナンデス外野手が故障者リスト(IL)入りした5月6日に昇格。再びチャンスが巡ってきている。

 23年には151試合出場し、打率・248、23本塁打、70打点、23盗塁をマーク。ナ・リーグ新人王の投票では3位に入った有望株だが、近年は打撃不振に苦しんでいた。

 試行錯誤の末、ようやく手応えを感じた表情は柔らかかった。「足を上げる動作をやめてみたんだ。バランスや一貫性、タイミングを良くしたくて。思った以上に良い感じだから続けてみようと思う」。大谷のノーステップ打法を導入し、現状打破のヒントを模索中だ。「メジャーは投球のレベルが高いから、翔平のスイングや他の選手たちのノーストライド打法を見てみんなから少しずつ学び、自分に一番合う方法を探している」と、さらに改良を加えていくという。

 チーム内では共に昇格した金慧成内野手やベテランのクリス・テーラー外野手らとの熾烈なポジション争いの渦中にいるが、焦りは見せない。「ここにいる全員が自身で望んで選んだ道。誰もが競争心が強いし、競い合うことを望んでいる。子どもの頃からずっとやってきたことだから、毎日競うことは本能のようなものだよ」。穏やかな口調だが、勝負の世界でプロとして生き抜いてきた強さが垣間見えた。

 結果を出さなければ落とされてしまう計り知れない重圧がかかる中、精神面の健康はどのように保っているのだろうか。「自分が野球を愛している理由を書き出した紙があるんだけど、それをときどき読み返すんだ。試合を楽しんでいる自分を思い出せる。やっていることは、それだけ」

 私生活では8か月の娘を育てる父。睡眠時間は減ったが、その何倍も生活に喜びが増えた。「先日、娘が初めて拍手をしたんだよ。ものすごくかわいかった」とデレデレ。シーズン中は子育てや家事にはほとんど参加できないが、オフシーズンには積極的に料理も作る。得意料理はシチューなどの煮込み料理で、「シチューは冷蔵庫にあるものを使ってレシピを見ないで作れる。あと、肉を薫製にしたりもするよ」と、ちょっとドヤ顔だった。

 一番の趣味はジープでのオフロード走行で、どんな道でも乗りこなす高度な運転技術の保持者だ。「もし野球選手じゃなかったら、もっと激しいオフロードを走っていると思う」と話すが、「でも、どんな選択肢があっても今の仕事以外はしたくない」と、キッパリ言い切った。

 「野球は本当に難しいスポーツで、成功よりも失敗の方が多いけれど、毎日野球ができるということは、毎日チャンスがあるということだから」

 野球愛にあふれるアウトマン。生き残るだけでも至難のメジャーリーグの世界。今後も厳しい状況は続くが、険しい道のりを走り切ってほしい。(村山みち通信員)

スポーツ報知

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