安青錦 6連勝 ウクライナ出身で幕内最年少21歳 初Vへの青写真「体が動いている」
2025年5月18日(日)4時39分 スポーツニッポン
◇大相撲夏場所7日目(2025年5月17日 両国国技館)
ウクライナ出身で幕内最年少の安青錦は遠藤を力強く押し出して2日目から6連勝とした。元横綱・日馬富士や3代目若乃花、元大関・旭国、元関脇・琴錦から学びを得るほど研究熱心。新入幕となった先場所で敢闘賞を獲得するなど勢いに乗る21歳が1敗を守った。全勝は大関・大の里、平幕の伯桜鵬の2人。1敗は安青錦と若隆景の2人となった。
安青錦の存在が、にわかに大きくなってきた。「相撲がうまい。左四つになったら、何もできない」と警戒していた巧者・遠藤戦。頭から当たり、左を入れて最後は右の喉輪で押し出した。2日目から6連勝と勢いに乗り「幕内は、みんな強い力士なので、自分の相撲だけ考えた。体が動いている」とうなずいた。
戦禍の母国から逃れて22年に来日した。先場所は初土俵から所要9場所の最速記録で新入幕。11勝を挙げ敢闘賞を受賞した。レスリング出身らしく低い姿勢からの攻めが持ち味。場所後の巡業では相撲を取る稽古は控え、四股などの基礎運動を重視し体幹を強化。場所前に浅香山部屋と荒汐部屋に出向き実戦稽古を増やした。
偉大な4人の力士から学ぶ勉強熱心な面ものぞかせる。元横綱・日馬富士からは右の使い方、喉輪。元横綱の3代目若乃花からは相撲のうまさ。「まねしてできるものじゃない。10%ぐらいできたらいい」と語る。ピラニアと言われた元大関・旭国からは土俵際の粘りを参考にし、「F1相撲」と呼ばれた元関脇・琴錦からは速い相撲で「自分が持っていないものを欲しくなってしまう」と話す。食事中にDVDやYouTubeなどで頭に叩き込んでいる。今場所の5日目には内無双を決めるなど多彩な技も魅力で向上心の塊だ。
先場所の千秋楽では、新入幕では5人目の「これより三役」に登場し、優勝争いを演じた。今の目標は三役昇進。21歳の若武者は「当たりが、まだ甘い。今いるところは、目指しているところではない」と目を輝かせた。