大谷超えの巨額契約から半年で“不良債権扱い” ソトの評価急落を英紙も異例の特集「15年契約の2%も満たしていない」
2025年5月24日(土)7時0分 ココカラネクスト

メッツで結果を残せずに苦しんでいるソト。(C)Getty Images
お茶の間をも騒然とさせたエポックメーキングな契約締結から約6か月。メッツの主砲フアン・ソトの評価は急落し続けている。
昨年12月にソトはメッツと出来高を含めて15年8億ドル(約1216億円=当時のレート)の史上最高額を締結。規模が23年12月に大谷翔平がドジャースと交わした10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)を大きく上回ったことで小さくない話題を生んでいた。
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そうした中で世間のソトへの評価が急落する理由は明確だ。「打撃専任」となっているDHでプレーしながら開幕49試合で打率.243、8本塁打、OPS.803と低調なパフォーマンスに終始し、存在感を示せていないのだ。
わずか49試合にして、早くも「不良債権」とも叫ばれる26歳の話題は、海を越え、「サッカーの母国」でもトピックとなっている。英大手紙『The Gurdian』は「彼は悲しいのか、悪いのか、それともただニューヨークでプレーしているだけなのか」と銘打った特集記事を掲載。ソトの現状を皮肉交じりに伝えた。
日頃、「国技」であるサッカーやラグビーがメディアのメインとなる英国にあって、野球界の話題が切り取られるのは異例。そういう意味ではソトの持つ娯楽性の大きさを示しているとも言えるが、同紙は「ソトに対する懸念は空想的なのだろうか? 決してそんなことはない。今シーズンの彼は打席内で、自信なさげな様子を見せている。まだ、その領域に達するのは早すぎるが、どんなに偉大な打者でもいずれ衰えを見せるものであり、ソトも例外ではない」と深刻な不振をリポートしている。
もっとも、同紙は世間が辛辣な評価を下すスピードが速すぎると分析。「ソトは15年契約のわずか2%も満たしていないのに」とした上で「彼は改めて容赦のない環境でプレーしているんだと感じているはずだ」とメディアが強い存在感を放つニューヨークという舞台でプレーする意味を論じた。
「彼を取り巻くあらゆる噂や裏切りも、この街でプレーする上で避けられないものだ。少しでも調子が落ちれば、メディアで延々と議論される。ソトがヤンキースに所属し、全てが順調だった頃は、それほど問題にはならなかった。
しかし、今は違う。それはソトがヤンキースを捨て、身近にあるチームと10億ドル近い契約を結んだからだ。新しいクラブハウスとチームメイトに馴染もうとしている中で、少しプレッシャーを感じているのも無理はない」
そして、「彼の評価はとんでもない曲線を描いている」と乱高下するソトの評価を論じる同紙は、「ソトは生涯にわたる莫大な期待に自らを縛り付け、それを甘受し、対処しなければならない。その理由が紛れもなく8億ドルの契約にある」と指摘。世間の辛辣な批判は、巨額契約者の宿命であるとも伝えている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]