赤星憲広氏 中日・涌井の投球スタイルに対応できない阪神打線 対策を見直す必要性を感じた

2025年5月24日(土)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神3—0中日(2025年5月23日 バンテリンD)

 【赤星憲広 視点】最後は延長11回に阪神・近本の決勝中前打、森下のダメ押し2点二塁打で首位をキープした阪神だが、展開としては先発した村上を勝たせなければいけない試合だった。

 5回無死一、三塁、6回1死三塁、そして7回1死一、二塁と中盤に続いたピンチで、得点を与えなかった。村上の制球力と精神力が、延長勝利の下地を作った。

 普通ならピンチの後にチャンスが来るものだが、この日は涌井に対してノーチャンスに終わった。前回の4月29日の対戦でも6回1失点と好投を許していた。今年の涌井の投球スタイルに、まだ対応ができていない。要所要所で直球でやられている。敵地バンテリンドームへの苦手意識も含めて、対策を見直す必要性を感じた。

 接戦で流れを引き寄せるためにも、動く意識は欠かせない。初回無死一塁での近本、8回2死一塁で代走した熊谷は、動くことでチームにきっかけをつくってほしいと感じた。点を取れているときは動けるけど、苦しいときに動けない、ではなかなか風穴をあけることはできない。

 左翼問題もこの日は解決の兆しが見えなかった。前川に代わった前日の島田、この日の豊田とアピールはできずに終わった。キャンプでは左翼の練習をしていたヘルナンデスも、ここまでの流れを見る限り、首脳陣は左翼という選択肢を持っていないように見える。ただ、ウイークポイントに頭を悩ますより、阪神は強みを前面に出すべき。自打球の痛みに耐えた森下も含め、1番から5番まで阪神は固定できている。これは他球団にない大きな武器だ。 (スポニチ本紙評論家)

スポーツニッポン

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