藤本麻子「まさか」のV マスターズGC切符獲得 シニアプロの助言「盗み聞き」してグリップ問題解消
2025年5月26日(月)4時43分 スポーツニッポン
◇ゴルフ 第11回マイナビシニア&レディースカップ最終日(2025年5月25日 千葉県柏市 藤ケ谷GC)
ツアー1勝の藤本麻子(35=フリー)が実績通りの力を発揮した。1バーディー、1ボギーの72で回り、通算2アンダーで女子レギュラーの部で優勝。NOBUTA GROUPマスターズGCレディース(10月23〜26日、兵庫・マスターズGC)の出場権を獲得した。
信じられない思いだった。スコアカードを提出した後に、関係者から女子レギュラーの部で優勝したことを知らされた藤本は「まさか勝てるとは思っていませんでした。男子プロと一緒に回って、勉強できればと思って参加したので。本当に、うれしいです」と白い歯をのぞかせた。
貪欲な姿勢が幸運をもたらした。前日のラウンド後のパーティーで、同じ組で回ったシニアの清水洋一がアマチュアにグリップのアドバイスをしているのを「盗み聞きした」。その通りに、左手の親指が右手の生命線に重なるように握ると長年悩んでいたグリップの問題が解消。「今朝コースに来て練習したら凄く良かった」とスタートの1番パー5で好ショットを連発し、2メートルのバーディーパットを決めるなどその効果はてきめんだった。
10年から9年間賞金シードを守り、11年には伊藤園レディースで初優勝を飾った。しかし19年からスランプに陥る。「自分への期待が大きくて、少しでもうまくいかないとイライラしていた」。復活を目指して2年間試行錯誤するうちに、不調の原因がメンタルにあることに気付いた。「それから自分に期待しないように考えを変えたら、自分自身を客観的に見られるようになりました」。以前は自分を追い込みすぎてオーバーワークになっていた練習量も制限。「1日100球と決めて、それ以上打たないようにしたら試合中の3日間、体が凄い元気になった」と心身ともにリフレッシュできるようになった。
大きなチャンスをつかんだ。この優勝で女子ツアー屈指の高額賞金大会のマスターズGCレディースに2年ぶりに出場できることになった。「せっかく勝ち取った権利なので、秋に帳尻を合わせていきたいです」。復調のきっかけをつかんだベテランが、シーズンの後半戦を実りのある秋に変える。
◇藤本 麻子(ふじもと・あさこ)1990年(平2)5月28日生まれ、岡山県津山市出身の35歳。10歳でクラブを握り、津山東中時代に中国ジュニア、中国選手権で優勝。作陽高卒業後の09年に日本女子アマ優勝。同年のプロテストで一発合格した。10年に賞金ランク27位でシード入りし18年まで維持。11年伊藤園レディースでツアー初優勝。1メートル64、59キロ。
▽競技方法 男女プロ各1人、アマ2人の4人1組でラウンド。男子シニア、女子レギュラー、女子レジェンズが異なるティーマークを使用し2日間36ホールを戦い、成績、賞金は共通。1位が複数の場合は最終日18番ホールからのカウントバックで優勝者を決める。