岩井千怜 米ツアー本格参戦1年目、8戦目で初V 逆転6差ぶっちぎり 29日開幕全米女子OPへ弾み

2025年5月27日(火)4時15分 スポーツニッポン

 ◇米女子ゴルフツアー リビエラマヤ・オープン最終日(2025年5月25日 メキシコ・エルカマレオンGC=6583ヤード、パー72)

 首位と1打差の2位から出た岩井千怜(22=Honda)が7バーディー、1ボギーでこの日の最少スコア66をマークし、通算12アンダーで2位に6打差をつけて逆転で米ツアー初優勝を飾った。日本ツアー8勝の千怜は今季から本格参戦。ツアーメンバーとして8戦目での初勝利は、3月に勝った竹田麗央の5戦目に次ぐ日本勢のスピード初勝利。日本選手の優勝は今季3人目となった。次戦のメジャー第2戦、全米女子オープン(29日開幕、米ウィスコンシン州)に弾みをつけた。

 ウイニングパットを沈めると両手を突き上げた。双子の姉・明愛らにシャンパンを浴びせられ、びしょ濡れになった千怜は「こんなに早く優勝できるとは思っていなかった。凄くうれしい。Super happy!」と笑顔をはじけさせた。

 1打差の2位で出て1番で8メートルのバーディーパットを沈めて逆転。3番から4連続バーディーで、一気に2位以下を引き離した。それでも「差が開いても次のバーディー、次のバーディーと思ってずっと回った」と気を緩めず後半も伸ばした。

 アマ時代から海外志向があった明愛と異なり「プロになりたての頃は全然考えていなかった」。しかしメジャーを経験する中でレベルの高い舞台で戦う思いが強くなった。

 昨年の最終予選会を2位通過すると肉体改造に着手。1月のタイ合宿で徹底的に鍛え抜いた。トレーニング後、体を鏡に映して「ムキムキになった」と悦に入るのが恒例になった。成果は1Wの平均飛距離に表れ、昨季の250・14ヤードから269・48ヤードに大幅アップした。

 姉妹そろってルーキーで臨んだ今季、明愛はここまで2位が2回あった。自身はトップ10入りさえ果たせない中「明愛が2位になって、次は自分が頑張ろうと思った」と発奮材料にして、姉より一足先に初勝利をつかんだ。

 開幕前に掲げた今季の目標は「シード獲得」と「初優勝」と「英語の習得」。優勝で来季のツアー出場資格も得て、2つは達成した。この日はスピーチも会見も英語で行った。「勉強法は単語を覚えるよりも人に話しかけること」という千怜らしい積極的なコミュニケーションでもう一つの目標にも近づいている。

 「もっと優勝を積み重ね、自信をつけていきたい」と貪欲な22歳。「全米女子オープンへの自信は?」と聞かれ「Just a little(少しだけ)」と控えめに答えたが、メジャータイトルを狙う準備は整った。

 ≪海外大会年間3人Vは初≫過去最多13人が米ツアーに本格参戦している今季の日本選手の活躍が目覚ましい。優勝は3月のブルーベイLPGAの竹田麗央、4月のシェブロン選手権の西郷真央に続いて今大会の岩井千が3人目。海外大会で年間3人の優勝者が出るのは初。3勝は韓国と並んで国別最多。また開幕から12試合連続で日本選手がトップ10に名を連ねている。この記録を継続中なのは米国と日本だけだ。

 ◇岩井 千怜(いわい・ちさと)2002年(平14)7月5日生まれ、埼玉県出身の22歳。8歳でゴルフを始める。埼玉栄高—武蔵丘短大卒。21年に姉・明愛と一緒に日本のプロテストに合格。22年NEC軽井沢72で日本ツアー初優勝を飾り通算8勝。昨年の最終予選会を2位で通過し今季から米ツアーに本格参戦。1メートル62、59キロ。

 ≪シャンパンで祝福 双子の姉・明愛16位「より刺激」≫明愛は16位で大会を終えた。最終日はインスタートの第1組。後半はアウトスタート最終組だった千怜を追いかける形で回った。ホールアウト後は18番グリーンで待機し、優勝した妹にシャンパンをかけて祝福した。自身は今季2位が2回で、あと一歩で初優勝に届いていないだけに「他の方が優勝しても刺激になるが、千怜が優勝することはより刺激を受ける。今年中の優勝を目指して頑張る」とモチベーションは高まったようだ。

スポーツニッポン

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