“グラブの神様”江頭重利さん死去 92歳 久保田スラッガーの型付け職人 辻発彦、福良淳一ら名手を担当

2025年5月29日(木)18時0分 スポーツニッポン

 「スラッガー」の名称で知られる野球グラブ製造メーカー「久保田運動具店」のグラブの型付け職人、江頭重利(えがしら・しげとし)さんが23日に死去した。92歳だった。江頭さんが顧問を務めていた久保田運動具店が29日に発表した。

 葬儀は故人・遺族の意向により、家族葬として執り行われた。後日、お別れ会を予定している。

 江頭さんは1932年(昭7)7月15日、佐賀県生まれ。佐賀商高卒業後、久保田運動具店(大阪)入社。阪神、広島、西鉄、日本生命、松下電器などの担当を経て、63年「久保田スラッガー」の製造開始から本格的に用具開発・型付けに乗り出し、68年に福岡支店開設、取締役福岡支店長を務めた。

 “グラブの神様”と称された江頭さんが手がけた逸品は、多くの守備の名手に愛された。かつては中西太、基満男(ともに西鉄)。そしてゴールデングラブ賞8回の辻発彦(西武)に、836連続守備機会無失策日本記録を持つ福良淳一(阪急)、メジャーでも活躍した松井稼頭央鳥谷敬(阪神)らを担当。新品のグラブをバラし、湯につけ、手でもみ、つちで叩く。独特の型付けで「素手感覚」を追求した。

 長年、野球界に貢献した功績が称えられ、2012年に「現代の名工」を、2013年には「黄綬褒章」を受賞した。

 久保田運動具店は「故人は長年にわたって弊社の発展のために尽力され、その業績は計り知れません。突然の訃報に接し我々は深い悲しみの中にありますが、個人が生前に築き上げたものを大切にし、その遺志を受け継いでまいります」とコメントした。

スポーツニッポン

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