プロの凄みが凝縮された攻防 スクイズに対してわざとワンバウンドにした武内 それをファウルした村林
2025年5月29日(木)22時49分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 楽天6—3西武(2025年5月29日 ベルーナD)
まさにプロの凄みが凝縮された1球の攻防だった。
「あれは奇跡ですね。何とか、と…。ファウルにできて良かった」
3—3の1死二、三塁で、1ボールからの2球目。楽天ベンチのサインはスクイズだった。
マウンド上の西武・武内は村林のバントの構えを見て「空振りが取れたら」とツーシームをわざとワンバウンドで投げた。「江夏の21球」を思わせる超絶プレーだ。
伝え聞いた村林は「すご…。凄いですね」と驚いたが、そのワンバウンドをバットに当て、ファウルにしたのも凄かった。
スタートを切っていた三塁走者の小深田は目の前に迫り、空振りなら憤死は必至。サインを出した三木監督も「彼の気持ち強さ。よく当ててくれた」と大感謝だった。
直後の3球目は強攻策。村林は「切り替えて次の球に集中した。うまく反応できた」と直球を左翼線に運んだ。
決勝の2点二塁打。8回にも左前打を放ち、チームトップとなる17度目のマルチ安打でリーグトップの打率を・336に上げた。