レッドブル・ホンダ分析:「苦戦したモンツァに比べれば雲泥の差」フェルスタッペン&アルボンは上々の滑り出し
2020年9月12日(土)9時45分 AUTOSPORT web

ムジェロ・サーキットでの初のF1が開幕した。
最近、ここでF1を走らせたのは2012年で、それは5月に3日間行われた合同テストだった。その後、ここでは所有者のフェラーリがプライベートテストを行った以外ではF1マシンは走行していない。そのため、多くのドライバーがシミュレーターに乗って、F1マシンで走るムジェロを体験していた。
そんななか、マックス・フェルスタッペンは、数週間前にムジェロを訪れ、GTカーのステアリングを握った。
「ここでレースしたことがなかったんだ。だから、数週間前にここに来て、GTカーを走らせた」(フェルスタッペン)
多くのドライバーがF1にステップアップする前に、フォーミュラ・ルノーでムジェロでの走行を経験しているが、本格的な4輪レースデビューがヨーロッパF3選手権だったフェルスタッペンは、ムジェロでの走行経験がまったくない。そこで実際にサーキットを訪れ、GTカーでコースの雰囲気を体験していた。
「シミュレーターで走ることはできるけど、それはあまり好きじゃない。少ししか学ぶことができないからだ。やっぱり実際に走ることがコースを学ぶ最善の方法なんだよ」(フェルスタッペン)
なぜ、GTカーだったのか。それは現在のF1ではフィルミングデー以外は現行のF1マシンの走行が禁止されているからだ。それでも、ムジェロでレースしたことがないフェルスタッペンにとっては、貴重な体験だった。
「F1マシンに比べれば、クルマは少し遅かったけど、それでもいい経験だった。1日中走行していたよ」
チームメートのアレクサンダー・アルボンは2012年にフォーミュラ・ルノーでムジェロを訪れ、レースをした経験がある。しかし、それも6年以上前の話。しかも、フォーミュラ・ルノーとF1マシンはかなりの違いがある。だから、アルボンも事前の準備は怠らなかった。
「シミュレーターで走ってきたから、いい感じで初日のフリー走行に臨むことができた。結果を言うのはまだ早いけど、僕たちレッドブル・ホンダにとって、決して悪くないサーキットになると思う」
レッドブル・ホンダのふたりのドライバーの努力は無駄にはならなかった。第9戦トスカーナGP初日のフリー走行を終えた成績は、フェルスタッペンが1分17秒235の3番手、アルボンも1分17秒971で4番手につけている。
グランプリ初日のフリー走行を終えて、レッドブル・ホンダがトップ4にの2台とも入っているのは、今シーズン第7戦ベルギーGP(フェルスタッペン首位、アルボン4番手)以来2度目。そのベルギーGPでは予選でフェルスタッペンがバルテリ・ボッタス(メルセデス)に1000分の15秒差に迫り、アルボンも開幕戦以来の今シーズン自己最高位タイとなる5番手と健闘した。
このことからも、レッドブル・ホンダのふたりのムジェロでの滑り出しは上々のようだ。
「このサーキットは僕が好きなタイプのコース」(フェルスタッペン)
「マシンのバランスをもう少し改善しなければならないけれど、苦戦したモンツァに比べれば、雲泥の差。土曜日以降が楽しみだ」(アルボン)
初のF1が開催されたムジェロで、レッドブル・ホンダの2台は良いスタートを見せていた。