英2部日本人対決が実現!坂元・中山が語った現在の立ち位置【現地取材】

2023年9月27日(水)18時30分 FOOTBALL TRIBE

坂元達裕(左)写真:Getty Images/中山雄太(右)写真:William Early (Huddersfield Town)

イングランド2部リーグのチャンピオンシップ第8節が日本時間9月26日に行われ、MF坂元達裕が所属するコベントリー・シティと、日本代表DF中山雄太が所属するハダースフィールド・タウンが対戦した。


チャンピオンシップ初となった日本人対決。試合はコベントリーが27分に先制するも、終了間際にハダースフィールドが劇的同点弾を上げ1-1のドローに。坂元はリーグ戦5試合ぶりの先発となり88分に交代。前節で今2023/24シーズン初先発を飾った中山は2試合連続でスタメンとなりフル出場した。


ここでは坂元と中山のインタビューを中心に同試合を振り返ると共に、サポーターの声や監督の直撃取材コメントも紹介しよう。




ハダースフィールド・タウン DF中山雄太 写真:Getty Images

コベントリーVSハダースフィールド:試合展開


ハダースフィールドは先週9月18日、74歳の老将ニール・ワォーノック監督と双方合意の上での契約解除を発表。後任には、昨2022/23シーズンにシェフィールド・ウェンズデイをリーグワン(3部相当)から3季ぶりのチャンピオンシップに導いたダレン・ムーア監督を迎えた。


実質2日の練習しか行えていないハダースフィールド相手にホームで勝利が欲しいコベントリーは、前半から右ウイングバックに入った坂元を中心にサイド攻撃を組み立てる。坂元は持ち味の切り返しやドリブルで突破するもののチャンスには繋げられないが、味方のカウンターで先制に成功する。


後半に入るとハダースフィールドは攻勢をかけ、3バックの左CBでの出場となった中山もドリブルで持ち上がるなど積極的な攻撃参加を見せ、後半アディショナルタイムの劇的弾に繋げた。




コベントリー・シティ MF坂元達裕 写真:Shun Ide

コベントリー坂元「(他の日本人には)負けたくない」


ー試合を振り返ってどうでしたか?


坂元:前半はいい形でボールを蹴ることができたんですけど、後半相手がポジションを変えてきて、ずっと押し込まれる展開になってしまって。僕もなかなか攻撃に行けずに後ろで守る形になってて、最後の最後でもったいない失点してしまったんでもっと後半の中で修正できることはあったと思います。


ー今回、チャンピオンシップで初めての日本人対決となりましたが?


坂元:彼(中山)も代表でずっとやってましたし、僕はあまり(代表に)絡んではなかったですけど、いい選手だと思いましたし、今日もいいプレーをしてました。チャンピオンシップの舞台には僕と中山くんと三好康児の3人しかいない。同い年くらいなので負けたくないという気持ちありますし、勝ちきれなかったのは悔しいです。




ハダースフィールド・タウン DF中山雄太 写真:William Early (Huddersfield Town)

ハダースフィールド中山「出れる自信はあった」


ー試合を振り返っていかがですか?


中山:前半、少なからずこっち(ハダースフィールド)にもチャンスはありましたけど決めきれず相手(コベントリー)のペース。後半は前半とは違った試合展開に持って行けていました。ポジティブに捉えれば監督就任して2日経ての今日なので、試合中に改善できて良いシーンを作れたのはポジティブだと思います。アウェイで勝ち点1を獲得できたのはよかったです。本当、負けて帰るのとポイント取って帰るのとだいぶ違う。


ー監督交代の影響は?


中山:前(ワォーノック)監督にも「お前の問題じゃないから、いつ出てもいいように準備しておけ」と言われていました。僕としても出れる自信はありましたし、チーム状況が別に悪くないんで、来たチャンスを掴めばいいなと思っていたところでした。監督交代が入って(ムーア新監督下で)チームとして新たな段階の時にスタメンで出れているのは順調かなと思っています。


コベントリー・シティ MF坂元達裕 写真:Getty Images

坂元「守備が出来ていないから言われる」


コベントリー坂元は前節までベンチスタートが続いていたが、ライバル選手の怪我により今節5試合ぶりの先発出場となった。


ー前の試合から連携が向上したように見えますが?


坂元:僕は(マーク・ロビンズ)監督やコーチから守備の選手ではないと言われてて、ボールを持ったらバックパスせずにとにかく仕掛けろと。「中に入って選手を使いながら仕掛けろ」と言われたので意識も変わりました。


チームメイトからは「持ったら仕掛けろ」と言われていたのですが、逆に守備が出来ていないからそう言われている部分もあると思うので。攻撃もできつつ、自分の長所である守備もみんなから信頼されるくらいまでやっていかなければと思います。


ーウイングバックの負担は大きいですか?


坂元:ウイングバックは運動量が求められます。大変ですが、できる選手はいるので、そこはできなければいけないと思います。僕ももっと走れる力とかを強化し、それができればもっとトップ・オブ・トップの選手になれると思うんで、守備も攻撃も。まずはそこができるように成長していかなければならないと思います。




ハダースフィールド・タウン DF中山雄太 写真:William Early (Huddersfield Town)

中山「代表にも食い込んでいきたい」


一方、ハダースフィールド中山は監督交代を挟んで先発の座を維持。それぞれ成長する上での課題を見据えている。


ー後半の積極的な攻撃参加は監督から指示があって?


中山:いや、言われてないです。僕の特徴はあれ(積極的な攻撃参加)でしたし、新監督へのアピールは状況を見ての判断でしたけど、僕の良さを出していくことで、ああいうシーンはどんどん作っていきたいです。


ームーア新監督はどんな人ですか?


中山:前監督もそうでしたけど、今回の監督もすごく人格者というか、選手のことを第一に考えてあとは整理してものごとを話してくださるんで、選手としてもサッカーをやりつつ改善できているシーンが多い。監督からの情報が整理されている部分があるのですごく僕らとしても楽しみ。次戦、しっかりとホームで勝っていきたいなと思います。


ーイングランド2年目ですが、目標は?


中山:1つは怪我しないこと。2つ目はプレミア昇格に食い込んでいくこと。それがよく進んでいくことで三つ目の代表にもしっかり食い込んでいきたいというのはあります。まずはだから怪我をしないことですね。それが一番です。(来年1月に行われる)アジアカップは目指してますし、入らなければいけないと自分に課している感じです。


コベントリーサポーター(カルム・フェイグン氏)写真:Shun Ide

ファンは坂元に強い期待


試合終了後のインタビューを終え、スタジアムの外で選手を出待ちをするコベントリーの地元サポーター(カルム・フェイグン氏)に出会った。坂元に向け「あなたのシャツをもらえますか」とメッセージを掲げた10代の同氏。Google翻訳で訳し、見よう見まねで日本語で書いたという。


「坂元をベルギーで見たがとても良い選手。彼の切り返しは相手を欺くようで、僕の脳じゃそんなこと思いつきもしなくてできないよ。監督は彼をウイングFWの位置で使うべきだね」と熱く話してくれた。




コベントリー・シティ マーク・ロビンズ監督 写真:Getty Images

監督からの信頼はまだまだか


その後出てきたコベントリーのマーク・ロビンズ監督。直撃でぶら下がり取材を試みると快く受けてくれた。


ー坂元のプレーはどうでしたか?


ロビンズ監督:とても良い選手なのは間違いない。彼はまだ自分の立ち位置を掴んでいるところなんだと思う。今日の試合はOK(まあまあ)の出来だったと思う。彼ならもっと出来るはずだ。


ー坂元には何を求めますか?


ロビンズ監督:彼は速く、自分で思っている以上に技術がある。両足でボールを供給でき、今日の試合では右サイドから左足で切り返していたがクロスの質も高い。ただコーナーのシーンで前に仕掛けるよりバックパスを選択した。彼にはエリア内の選手に向け積極的にボールを供給するようにして欲しい。ただ、それ以外はタツ(坂元)はとても良い選手で、チームにとって大きな戦力になるはずだ。


コベントリーは18位、ハダースフィールドは17位と低迷しているが、2023/24シーズン全46節中まだまだ前半戦。今後課題を改善していけば上位浮上のチャンスはまだある。若い日本のサムライの活躍に期待したい。

FOOTBALL TRIBE

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