プレミアリーグ、誤審に繋がった審判間の音声を公開…審判協会は再発防止へ声明を発表

2023年10月4日(水)9時37分 サッカーキング

ゴールが認められなかったルイス・ディアス [写真]=Getty Images

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 プレミアリーグは3日、誤った判定が下されたプレミアリーグ第7節トッテナムvsリヴァプールの試合中の審判間の音声を公開した。

 9月30日に行われたトッテナムとリヴァプールによる一戦は、26分にカーティス・ジョーンズがレッドカードで退場となったものの、10人となったリヴァプールは34分にルイス・ディアスがネットを揺らしたが、オフサイドと判定され得点は認められず。その後、69分にはディオゴ・ジョッタが2枚目のイエローカードで退場となった影響もあり、リヴァプールは最終盤の失点で1−2で敗れている。

 大きな問題となっているのはL・ディアスのゴールが認められなかった場面。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は通常の手順に従ってあらゆる確認をしたものの、担当のダレン・イングランド氏が主審の判定を勘違いしていたことから、ただ単にその判定が正しいと伝える「チェックコンプリート」と主審に伝達。サイモン・フーパー主審はオフサイド判定が正しかったと受け取り、試合はそのまま再開されていた。

 この事態を受け、試合後にプレミアリーグのプロ審判協会(PGMOL)は「重大な人為的ミス」があったことを認め、リヴァプールに謝罪したことを明らかにした。一方のリヴァプールは「競技規則が正しく適用されず、スポーツとしての誠実さが損なわれたことは明らかだ」など正しい判定が下されなかったことへの不満を表明する異例の声明を発表。実際の試合中に審判間で交わされていた会話を公開することを要求していることも伝えられていた。

 そんななか、プレミアリーグは3日に物議を醸した場面の審判間の会話を公開。L・ディアスがオフサイドかどうかラインを引いて確認し、イングランド氏が「チェックコンプリート」と主審に伝達していた様子が明らかになった。

 しかし、試合が再開された直後にリプレイオペレーターが「待って、待って。フィールド上の判定はオフサイドだぞ。これでいいのか? 映像はオンサイドだ。試合を遅らせた方がいい」などとVAR担当らに何度も訴えていたことも明らかに。それでも、すでに試合が再開されていた状況からイングランド氏は「何もできない」と語り、判定が覆されなかった経緯が明かされた。

 音声公開に際し、改めてPGMOLは以下のように声明を発表している。

「PGMOLはプレミアリーグのトッテナムとリヴァプールの試合で、ルイス・ディアスのゴールがオフサイドとして誤って認められなかった状況の調査を行った。私たちは基準を下回っていたことを認識しており、試合終了後にリヴァプールへ謝罪をした」

「フィールド関係者とVARチームの間の音声とともに、重要な場面と即時に取られた行動を含む詳細な報告書が、プレミアリーグに提出され、リヴァプールとそのほかすべてのプレミアリーグクラブに共有された。フィールド上とVARによる意思決定プロセスと原則を見直したことにより、将来エラーとなるリスクを軽減するために次のような重要な教訓を得た」

「・ビデオマッチオフィシャルへのガイダンスでは常に効率性の必要性を強調してきたが、正確性を犠牲にすることは決してあってはならない。この原則は明確に何度も繰り返される。
・フィールド上の主審とVARチーム間のコミュニケーションの明確性を高めるために新しいVARコミュニケーションプロトコルが設定される。
・プロセスへの追加ステップとして、VARは最終決定をフィールド上の審判に伝える前に、AVARとVARチェックプロセスを確認する」

「PGMOLは今シーズンから始まった新しいトレーニングプログラムを通じて、VARのパフォーマンスを向上させることに尽力しており、特定の役割におけるすべてのVAR、AVAR、リプレイオペレーターのプロセスに焦点を当てている。私たちにはFIFAが認定しているVARが多数いるが、VARスペシャリストを創設する作業も進行中だ」

「問題となったVARとAVARは残りのプレミアリーグ第7節の試合から外れたほか、今週末の第8節の試合担当には含まれていない。PGMOLとFA(イングランドサッカー協会)はFIFAやUEFA管轄外の試合で主審を担当することを許可する方針を見直すことにも同意した」

サッカーキング

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