TC2000/SCB併催戦の週末に特別枠。ユーロファーマRCのマウリシオ・ジロラミ組がFFシボレーで参戦へ
2023年10月5日(木)17時30分 AUTOSPORT web
シリーズを代表する祭典『ブエノスアイレス200km』の開催が10月6〜8日に迫ったアルゼンチンのFFツーリングカー選手権TC2000(旧スーパーTC2000)は、この週末に併催する隣国ブラジルの最高峰、SCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”からのゲスト参戦枠を発表。
地元では僚友ダニエル・セラと同じくシリーズ3冠に輝くリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)が、シボレー陣営のYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングにジョイントし、3台目のFFシボレーYPFクルーズをドライブするとともに、そのペアにネストール・ジロラミを迎えることをアナウンスした。
同じく、トヨタ陣営のTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)は、現エースであるジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラTC2000)の68号車ペアに、かつてTGRAと覇権をともにした“5冠”王者マティアス・ロッシを継続起用し、もう1台の29号車をドライブする新鋭ファクンド・アルドリゲッティには、こちらもSCBレギュラーのネルソン・ピケJr.が招聘された。
南米相互交流の新プロジェクトとして、ブエノスアイレスのオスカー・ファン・ガルベス・オートドロームにてTC2000の第10戦、そしてSCBの第9戦と両選手権のシリーズ戦が開催されるこの週末は、TC2000でも恒例の長距離イベントとして各レギュラーにゲスト招聘枠のコドライバーが召集される。
今季で第17回を数える伝統の1戦に向け、ブラジルのユーロファーマ(母体は大手製薬企業)は3台目のクルーズを登録すると発表。当初はマウリシオの起用のみが発表されていたが、レースウイークに入ってそのチームメイトをジロラミが務めることが明かされた。
「ユーロファーマから話を聞き、招待状を受け取ったときは大きな驚きだった。ストックカーの方で準備はしていたが、この週末のステージがこれほど特別なものになるとは想像もしていなかったんだ」と、急遽のダブルヘッダーが決まったマウリシオ。
■ピケJr.は集中テストを実施しFFツーリングカーを習熟
「でも僕はこのレースが本当に好きだし、そこで勝利も得ている。だから今回の復帰は喜びだよ」と、この伝統のイベントで2009年当時にトヨタ・チーム・アルゼンティーナ(TTA)のカローラをドライブし、ノルベルト・フォンタナとのペアで勝利を飾っているマウリシオ。
一方、このTC2000(かつてのスーパーTC2000)で2014年、2015年と2連覇でのタイトルを獲得したジロラミは、同2014年にプジョー・ロージャック・チームの408に乗って第7回大会を制覇しており、これで90号車シボレーは優勝経験者がペアを組む強力な布陣となった。
一方、TGRでかつての愛弟子とタッグを結成するロッシは、現在は国内のトップレースV6などに参戦するかたわら、隣国のSCBでも「史上最も成功を収めた海外ドライバー」の称号を得て、昨季はタイトル戦線に絡む活躍も演じてきた。もちろん、この200kmレースでも2006年と2015年に優勝した経験があり、昨季はそのサンテロとともに2位表彰台も得ている。
同じく、F1、NASCAR、GP2、そして電動シングルシーター、フォーミュラEの元チャンピオンでもあるピケJr.は、大会に先立ちコルドバのオスカー・カバレンで1日限りの集中テストを実施し、現在SCBでドライブするストックのカローラとは異なり、前輪駆動ツーリングカーの習熟に励んだ。
「今回(ファクンド・)アルドリゲッティと(ネルソン・)ピケJr.の場合、ピケのクルマへの適応に重点を置いて作業が行われ、良い結果が得られた」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアで長年エンジニアを務めるグスタボ・アズナレス。
「なかには使用されていないクルマもあったので、それ自体の初期トラブルや、新しく組み立てられた部分の再調整、そしてもちろんドライバーのセットアップや適応に時間を費やす必要があった。でも(ジュリアン・)サンテロと(マティアス・)ロッシの場合、論理的には両者の経験のおかげで、クルマの開発とチューニングのいくつかの問題について、より多くの作業が進んだよ」