元F1ドライバーのチャンドック、eスポーツは「現実のモータースポーツへの入り口になる」と可能性を語る

2017年10月14日(土)12時8分 AUTOSPORT web

 元F1ドライバーのカルン・チャンドックは、将来のF1スターはeスポーツからキャリアを始めるかもしれないとの意見を示している。


 通常、若いドライバーはモータースポーツでのキャリアをカートから始めるものだ。しかしながらカートにかかる費用はますます高額になり、多くの若者には参加する余裕がない。


 チャンドックによると、eスポーツは競技レースへの手の届く入門方法となっているという。


「現在のカートの費用は非常に高く、ときとして法外なほどの金額がかかる」


「12歳から16歳くらいの間に、ゲームやシミュレーターで技術を磨くことはモーターレースの世界に入る良いステップになる」


 ヤン・マーデンボローはバーチャルから現実への移行が可能であることを、すでに示している。マーデンボローは、日産とソニー・コンピュータエンタテインメントにより開催されたGTアカデミーで優勝した後、2012年にプロのレーシングドライバーになった。それ以来、彼はル・マン24時間、FIAヨーロピアンF3選手権、スーパーGT、GP3などのシリーズに参戦している。


 2010年から11年にかけてHRTとロータスからF1に参戦し、現在はイギリスチャンネル4のF1番組で技術アナリストとピットレーンレポーターを務めるチャンドックは、以下のように説明する。


「ル・マンに出た者もいる。ゲーム出身でGTレースに出ている者もいる」


「ゲーマーがすぐにグランプリドライバーになれるとは思わない。でもそれに向けた第一歩を踏み出すきっかけにはなり得る」


 F1 eスポーツ・チャンピオンシップの準決勝は先日、ロンドンのGfinityアリーナで開催され、チャンドックはここでもコメンテーターを務めていた。当初63,827人の参加者を集めたトーナメントは、F1と提携するゲーム開発会社のコードマスターズ、専門会社Gfinityによって運営されている。


 準決勝では40人が20人まで減らされ、彼らは来月の優勝決定戦へ進む。優勝決定戦はF1シーズン最終戦の直前に、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催される予定だ。


 プレーヤーたちは仮想空間のシルバーストンやインテルラゴスでの白熱した8戦でしのぎを削った。彼らはプレイステーション4、Xbox One、ウインドウズPCのいずれかのプラットフォームから、コードマスターズの公式F1 2017ゲームをプレイしている。


 イギリスからの参加者であるブレンドン・リーは、予選で圧倒的な強さを見せた。彼は仮想空間では土砂降りとなったシルバーストンで、他のライバルに比べて1ラップあたり1秒以上も速い走りを見せ、2レースで優勝を飾った。


 ドイツからの参加者パトリック・ホルツマンは、間違いなくその日のベストバトルと呼ぶべき戦いでデンマークのフレデリック・ラスムッセンを破り、ダブル優勝を飾った。オランダのアラート・バンダーウォルとフィンランドのソナク・サルタヌクも同様に両レースで勝利を飾り、優勝決定戦への進出を決めた。


 準決勝の模様はF1 eスポーツの公式Twitchチャンネルで見ることができる。


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