ダカールに挑む日野チームスガワラの新型ハイブリッドマシンが完成。加速性能が飛躍的に向上

2021年10月27日(水)11時43分 AUTOSPORT web

 10月25日、日野自動車はHINO TEAM SUGAWARA(日野チームスガワラ)として2022年1月、中東サウジアラビアで開催されるダカールラリー2022に参戦する新型車両が完成したと発表した。


 1991年にダカール参戦を開始した日野チームスガワラは、次回大会と同じくサウジアラビア1国開催となった2021年大会にて、トラック部門の排気量10リットル未満クラスで12連覇を達成。その成功の歴史と、チームに脈々と息づくチャレンジングスピリットを胸に、来年31回目のダカールラリーに挑戦する。


 日野は今年6月、2022年にスタートするFIA世界ラリーレイド選手権の開幕戦ダカールへの参戦を発表し、その際に同社初のレーシングハイブリッドシステムを搭載した新型車両を投入することを明らかにした。


『日野レンジャー』ベースのキャブオーバー型に代わって登場する新型マシンは、北米専売車の『日野600シリーズ』というボンネット型車両がベースとなる。


 日野はオートマチックトランスミッションを搭載して2020年大会に登場した同モデルをベースに、車両のさらなる軽量化を図るとともにレース用ハイブリッドシステムを搭載。最高出力800PSを発生させる8.8リットル直列6気筒ターボディーゼルエンジン“A09C-TI”と組み合わせ、システム最高出力1080PS(794kW)を発揮する新たな“リトルモンスター”を生み出した。


 新型マシンについて、「徹底的に加速性能を向上させた」語るのは、榎本満プロジェクトチーフエンジニア。同氏は2022年型車両のトピックを次のように説明した。


「エンジンは新開発の高効率ターボで800PS化、瞬発的なモーター出力が期待できるバッテリー(キャパシタ)を採用し、エンジン+ハイブリッドの合計で1000psオーバーを実現しています」


「さらに、瞬時に変速するレース用ATや高強度アルミとGFRPを多用した超軽量リヤボデーの採用など、新技術を満載しました」


 この新型マシンで開発テストを繰り返してきた、チーム代表兼ドライバーの菅原照仁は、「10月のテスト走行でハイブリッドやオートマチック、足回りといったセッティングを煮詰めてきました」とコメント。


「加速性能も飛躍的に向上し、期待の持てる速さに仕上がりました。本番で大型ライバル勢にどこまで立ち向かえるかを楽しみにしています」


 10月上旬にハイブリッド仕様の新リバリーが与えられた新型リトルモンスターはもうまもなく日本を離れ、戦いの場であるサウジアラビアに送られることになる。

エンジンで800PS、電気モーターで280PS、ハイブリッドシステム合計1080PSの最高出力を誇る日野の新型ダカール参戦車両
車両軽量化のため超軽量リヤボデーには高強度アルミとGFRPが多用された
















































































ドライバー菅原照仁
ベース車両HINO 600シリーズ
エンジン型式A09C-TI(ターボインタークーラー付き)
エンジン形式ディーゼル4サイクル直列6気筒
排気量8.866L
エンジン最高出力800PS(588kW)/2900rpm
エンジン最大トルク234kgm(2295Nm)/1700rpm 
HV最高出力280PS(206kW)
システム最高出力1080PS(794kW)
駆動方式フルタイム4WD
トランスミッションAT(前進6速・後退1速)
トランスファーHi-Loレンジ切替付、センターデフロック付
タイヤXZL 14.00R20
車両重量8600kg
全長6700mm
全幅2500mm
全高3100mm
ホイールベース4170mm
燃料タンク800L

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