中嶋一貴「将来を見据えた決定。引退も選択肢のひとつ」WECレギュラー勇退発表後に語った現在の心境

2021年11月4日(木)13時40分 AUTOSPORT web

 11月6日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される2021年WEC世界耐久選手権最終戦バーレーン8時間レースを最後に、トヨタWECチームのレギュラーから退くことが発表された中嶋一貴は、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)に留まり、現時点ではアナウンスされている新たな役割を担う予定だ。


 既報のとおり、2018年から3年連続でル・マン24時間レースを制した一貴が、今シーズンの最終戦となる第6戦バーレーン終了後、9年間在籍したTGRのレギュラードライバーを勇退することが今月3日に発表された。


 バーレーンでメディアに語った36歳の彼は、WECチーム内でのポジションがあることを示唆したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。トヨタの広報担当者は、12月に予定されているトヨタのモータースポーツ年次記者会見で、このことが一貴の後任とともに発表されることを確認した。


「レースに出られなくなることは、正直に言って少しさみしい気持ちもあります。しかし、公平に見て、私はすでに未来に目を向けています。この話は1カ月ほど前からしていました。私たちはそれについて、将来のことも含めて話し合ってきました」と語った一貴は、選択肢のひとつとしてドライバーとして完全に引退し、新しい役割に集中する可能性も示唆した。


 最終的な決定はしていないものの、現在のシナリオが「もっとも可能性が高い」という。


 今季の一貴はWECと並行して全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦しており、以前にはそれらに加えてスーパーGTも掛け持ちするかたちで、1シーズンで3カテゴリーを戦っていた。


「それは計画の一部ですが、まだすべてを決めたわけではありません」と一貴。


「私たちはまだ、来年なにをするか話し合っているところです。また、ここ(WEC)でなにができることの詳細をすべて詰めていきたいと思っています」


「どちらもやるということは、時には少し妥協することになります」


■数年後のスポーツカーレースを楽しみにしていた


 一貴は、自身がトップレベルのドライバーとして必要なものを持っていると感じており、今回の決定が下される以前には、今後数年の間にWECに自動車メーカーが参入してくることを「楽しみにしていた」と述べた。


「ええ、私自身はそう信じています。先週のレースもそうでしたが、まだちゃんとクルマを運転できますし、レーシングドライバーとして何かをすることができると確信しています」


「正直なところ、それは悲しみの一部です。多くメーカーがやってきて、WECが新しい素晴らしい時代に向かっていることを知っています」


「そこでは多くの競争が繰り広げられるでしょう。私はレーシングドライバーとして、この新時代のレースに挑戦することを楽しみにしていました」


「その点は実際に悲しい部分ですが、先ほど説明したように、私は将来に対して多くの前向きな気持ちを持っています」


「これはWECだけでなく、TGRのモータースポーツ全般に訪れる大きな変化のほんの一部に過ぎません。持続可能なモータースポーツを可能にする実現するために、今後もさまざまな変化が起こるでしょう」


「我々にはいくつかの変化が必要であり、これはその一部です。私の後任が誰になるかは言えませんが、次世代のドライバー育成の一環でもあります。その一部になれることをうれしく思います」

トヨタGR010ハイブリッドを見つめる中嶋一貴(TOYOTA GAZOO Racing)

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