F1昇格が期待されるミック・シューマッハーは「フェルスタッペンより熟慮型」とふたりの元ボス

2018年11月8日(木)7時7分 AUTOSPORT web

 ジュニアフォーミュラに参戦するファン・アメルスフォールト・レーシングの代表フリッツ・ファン・アメルスフォールトは、現在注目を集めている若手ドライバー、マックス・フェルスタッペンとミック・シューマッハーの両方と仕事をした経験がある。彼は、このふたりはタイプが全く異なると明かした。


 フェルスタッペンは、2014年にファン・アメルスフォールト・レーシングのドライバーとしてFIAヨーロピアンF3選手権を戦った。一方のシューマッハーは、その翌年に同じチームからADAC F4に参戦したドライバーのひとりだった。


 シューマッハーは2017年にヨーロピアンF3に昇格、2018年に同選手権のタイトルを獲得した。フェルスタッペンは、一足飛びにF1へ駆け上がり、2015年にトロロッソからデビュー、現在はレッドブル・レーシングに所属している。


 レースへの取り組み方に関して、フェルスタッペンは本能的なタイプで、それに比べるとシューマッハーは熟慮型であると、ファン・アメルスフォールトは語った。


「多くのレーシングドライバーは、あらゆることを自分なりの方法でやるべきだと考えている。ミックは常に、もっと学びたいという意志を見せてきた」と、ファン・アメルスフォールトはドイツのSport1に対して語った。


「ミックは学習を重ねてレースに臨む男だ。彼はマックスほどに野生的な感覚で走るタイプではない」


「ミックは頭を使っている。彼の強みは、頭を使ってレースに勝ちたいと考え、それを実践していることだ」


「おそらく彼は、レースでは単に走るのではなく、学習を重ねなければだめだ、ということを父親から学んだのだろう。だからこそ望んでいた現在のポジションを獲得できたのだ」


 シューマッハーは今シーズン後半に調子を上げて、終盤のニュルブルクリンクとレッドブルリンクでは5連勝を成し遂げ、ダニエル・ティクトゥムをやぶって2018年ヨーロピアンF3王座に就いた。


■「焦らず着実にF1に向けて進んでいきたい」とミック・シューマッハー


 現在19歳のシューマッハーは、今後2、3年以内にF1昇格を果たすものとみられている。ルイス・ハミルトンは最近、F1に近々シューマッハーの名前が復活することは「100%」確実だ、と述べた。


 元F1最高権威者のバーニー・エクレストンも、ハミルトンのこの考えに同意している。
「ミックは順調にF1への道を進んでいる。素晴らしい仕事をしているよ」と、エクレストンはドイツのBild am Sonntag紙に対して語った。


 エクレストンはまた、ミックの父親で7度の世界チャンピオンであるミハエル・シューマッハーが、息子のキャリア形成に積極的な役割を担えないことについて「彼の父親が彼を支えてあげられないということが、とにかく残念でならない」とも述べている。


 ベネトン、フェラーリ、メルセデスでF1ドライバーを務めたミハエル・シューマッハーは、2013年にフランス・アルプスで息子とスキーをしていた際のアクシデントで重傷を負い、現在も療養生活を送っている。


 ミックは十分な準備を整えてからF1に進みたいと考えており、次はF2選手権で走り、その後にF1に参戦することを考えているようだ。


「F1で走る準備ができているかって?」とF3タイトル獲得後に質問を受けたミックは、じっと考え込んでから答えた。
「僕は少しずつ前へ進みたいタイプなんだ。一歩一歩、十分に準備を整えたうえで次へ行きたい」


 2度の世界チャンピオンであるフェルナンド・アロンソは、周囲はミックの成長をじっくり見守っていくべきであると考えている。


「未来がどうなるのかは、誰にも予想できない。余計なプレッシャーを与えてはいけない。もうすでに十分に受けているはずだしね。いずれ時間が経てば分かることだ」


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