ベッテル、女性の運転解禁から間もないサウジでカートイベント『Race for Women』を開催「互いに学びがあった」
2021年12月9日(木)5時40分 AUTOSPORT web
アストンマーティンF1チームのセバスチャン・ベッテルは、F1サウジアラビアGPを前に、サウジアラビアで女性だけのカートイベントを開催した。
サウジアラビアでは、女性が公道を運転することが2018年にようやく許可された。
「本当にすごくエキサイティングだった」とベッテルはジェッダでメディアに語った。
「ここサウジアラビアでのF1初開催に向けて、多くの議論や考えがあるのは明らかだ。多くの疑問が投げかけられたし、僕も自分自身に問いかけ、自分ができることについて考えていた」
「僕たちは深い関心を持っている。特定の国々の欠点について、否定的な例に大きな焦点が当てられる」
「でも僕はポジティブな面を考えるようにした。だから『Race For Women』というハッシュタグの下で、自分のカートイベントを企画したんだ」
ベッテルはコースを借り、様々な経歴を持つ女性のグループを招待し、カートの体験を楽しんでもらった。ベッテルは彼女たちにアドバイスを与えるだけではなく、サウジアラビアの社会における女性の暮らしについて、彼女たちから学びもしたという。
「7人から8人の女性をコースに迎え、彼女たちのためだけに素晴らしいイベントを行った」と4度のF1世界チャンピオンであるベッテルは説明した。
「僕は人生や、もちろんコースにおけるいくつかの経験を伝えようとした。一緒に何かをやることで、彼女たちの自信を高めようとしたんだ」
「言うまでもなく、サウジアラビアで女性が運転できるようになったのは2018年からだ。だから何人かは免許を持っていたが、持っていない人たちもいた」
「F1の大ファンだという人もいれば、今日までF1やレースに何の接点もなかった人もいた」
「だからあらゆる背景を持つ女性たちがちょうどよく混ざっていた。素晴らしいイベントで、みんなとても喜んでいたよ」
ベッテルは彼女たちの話に刺激を受け、サウジアラビアでの女性の人権の発展について、前向きな驚きがあったと認めた。
「彼女たちの話、バックグラウンド、そして彼女たちが国の変化について前向きに捉えていることにとても刺激を受けた」
「西洋やヨーロッパの視点で見ると、もちろん改善し対処すべき点が多くあるのは事実だが、何かが変わってきているのもまた事実だ。そして彼女たちのような人々が大きな違いを生み出している」
「ある国へ来て、およそ数日しか滞在しないのに、その国の背景や人々のことをよく知りもしないで完璧な判定者になろうとするのはとても難しいことだ」
「僕にとって、こうした女性たちを知ることは重要だった」
「とても印象的で刺激的な日を過ごしたよ。素晴らしい形で週末を始めることができた。大事なことは、ポジティブなことに焦点を当てることだね」