2強の牙城を崩した日体大柏 FW転向で飛躍を果たした“大器”がさらなる高みへ

2022年12月27日(火)15時30分 サッカーキング

 初出場校に逸材がいる。日体大柏(千葉)は1962年の創部から60年で選手権初出場。2013年度以降、流経大柏と市立船橋の2強が占めていた千葉県代表の座を掴んだ。

 日体大柏は2015年に地元のJ1クラブ、柏レイソルと相互支援契約を締結。日常的に柏のアカデミーコーチの指導を受けるなど「レイソルアカデミー」の一つとして活動し、毎年アップデートを繰り返して壁を破った。190cmのFWオウイエ・ウイリアム(3年)、FW吉田眞翔(3年)、MF古谷柊介(3年)、MF平野伶(3年)といった前線4選手の破壊力は今大会屈指。中でも注目が柏内定の大器、オウイエだ。

 川崎フロンターレU−15時代は主に左サイドバック。怪我もあってU−18チームへの昇格を逃し、日体大柏へ進学した。中盤でプレーしていた昨年はまだ控え。飛躍のきっかけは昨冬のFW転向だった。元柏DFの根引謙介監督は「守備は最低限のところを要求して、より攻撃の部分で彼の力が出るようにやってみたら、パッとハマったというか可能性が見えた」と振り返る。2月にはJ3クラブへ練習参加。ここで仕掛けやボールタッチの部分に自信を得たオウイエは一気に階段を上ることとなる。

 オウイエは、190cmの高さとチームトップクラスのスピードの持ち主。加えて強みにしているのが、「フロンターレでずっと止める・蹴るをやってきて、ここでも身についたという感じです」というように、足元の技術力だ。前線でグラウンダーのボールを正確に味方へ落とし、浮き球でも平然と足先でコントロール。また、「キックは小さい頃から武器。自分はパスもできる選手」というオウイエは、スルーパスや絶妙な距離感のクロスをピンポイントで通してしまう。アウトサイドキックも上手い。この部分が他の大型プレーヤーとの違いとなっている。

 オウイエにボールが収まってしまうため、今年の日体大柏はシンプルにロングボールを入れてしまう傾向にあった。だが、インターハイ予選決勝の敗戦を受けて本来のグラウンダーで繋ぐスタイルを徹底。選手権予選決勝では、市立船橋相手にボールを保持し続けて快勝した。オウイエはその決勝で先制点を決め、スルーパスで2点目をアシスト。チームがなかなか結果の出ない中、「もっとチームを勝たせる選手になっていかないといけない」と誓って臨んだ選手権予選は5試合中4試合でゴールをマークした。

 初の選手権へ向けては、「もっと注目とかも上がると思う。自分は球際とかでバチバチ行って冷静になるところは冷静になって、全国でも変わらずにチャンスが一回は来ると思うので、そこの仕留める部分をもっと上げてやっていきたいです」。予選からさらに成長した姿を示せれば得点王の有力候補。逸材FWが初出場校を目標の日本一へ導く。

サッカーキング

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